2014 Fiscal Year Annual Research Report
局所筋活動にともなう筋内外脂質リクルートメントの解明とその応用性
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25282201
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田口 貞善 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 客員研究員 (90086819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10382540)
栗原 俊之 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (10454076)
大塚 光雄 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20611312)
松生 香里 東北工業大学, 共通教育センター, 講師 (60513570)
橋本 健志 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (70511608)
山内 潤一郎 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (70552321)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮下脂肪 / 筋内脂肪 / 筋量 / 二足歩行 / 体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代生活では、栄養摂取の過剰や非活動的な生活様式は最終的には代謝調節異常を誘導している。脂質蓄積と代謝異常が主因であるが、筋活動に伴う筋内外の脂質利用亢進の調節の欠陥が原因と思われる。その予防や改善に対する筋活動対策(特に四肢の局所筋活動)は全く明らかにされていない。それは、筋活動にともなう主働筋や隣接する骨格筋の筋細胞内外の脂質代謝動態が十分解明されていないからである。そこで、四肢の局所筋活動時の脂質代謝の解明により、脂質代謝の正常化と維持について、国民に提示できる運動と筋細胞内外の脂質代謝の処方に関する『指針』を作成することを本研究は目指す。
ヒトが二足歩行に進化する過程で、腕と脚の機能解剖学的役割は大きく変わったが、。その変化についてこれまで脂質代謝やその動態について十分な研究はされていない。脂肪量/除脂肪量の比率は同一個体内であっても全身体脂肪率とは同じではなく、四肢の機能的独自性とエネルギー基質である脂質代謝の関係を明らかにすることは大変重要である。当該年度では、ヒトの非侵襲的な体組成測定ならびに組織・生化学的な解析データを相互に関連させることで、二足動作は下肢に比べ上肢の筋活動は低く筋量が少ないことで、脂肪燃焼率が相対的に低く、体脂肪がつきやすくなっているとの仮説を検証した。
具体的には、MRI法を用いて取得した上肢と下肢の断面像とインピーダンス法(BI法)を用いて全身および部位別の体組成を計測し、MR画像による脂肪断面積比率とBI法による脂肪率の関係を明らかにし、ヒト四肢の体組成からエネルギー貯蓄特性を定量化した。特に、ヒト上肢と下肢における筋と脂肪量とその割合の性差をMRIとBI法、その筋内外脂質の違いをMRSで相互に分析し、特徴付けを行った。また、ヒトのロコモーション動作および筋電図のデータと比較することで、四肢の形態と代謝機能的な適応パターンを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、ヒトの非侵襲的な体組成測定ならびに組織・生化学的な解析データを相互に関連させることで、四肢の脂質リクルートメントに関する性差、加齢の影響、身体活動量の影響などの特徴付けを行い、国内外の学会で発表した。 また、ヒトのロコモーション動作を洞察するため、小学生・中学生から成人までを対象に、足指把持力とロコモーション動作との関連性を検討し、いくつかの学術論文にまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、各課題を達成していく中で、相互に実験的エビデンス、作業仮説を提供し、計画および達成目標の更新をはかる。各課題を段階的、循環的に推進していくことで、ヒトの四肢におけるエネルギー利用と貯蓄の関連性と実生活上の運動による骨格筋収縮時の脂質代謝亢進の機序の全容解明を目指す。
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Causes of Carryover |
研究計画の最終年であるので、MRS/MRI法による筋細胞内と筋細胞外の脂質同定と定量化の追加実験に人件費(アルバイト雇用含む)、謝金執行を当てることにした。追加実験として、橋本健志班員を中心として、上肢、下肢の局所運動にともなう脂質代謝動態、脂質・糖質のリクルート順序の機序の解明を一層明らかにする追加実験をおこなうこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験で明らかになったことを中心に国際学会で発表し(旅費計上)、国際誌に発表できるように精力的にまとめる(論文校閲費、論文掲載費)。方法論の開発では、特許に関わるか検討する。
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[Journal Article] Toe flexor strength and foot arch height in children.2015
Author(s)
Morita N, Yamauchi J, Kurihara T, Fukuoka R, Otsuka M, Okuda T, Ishizawa N, Nakajima T, Nakamichi R, Matsuno S, Kamiie S, Shide N, Kambayashi I and Shinkaiya H.
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Journal Title
Medicine & Science in Sports & Exercise.
Volume: 47
Pages: 350-356
DOI
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