2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca2+濃度の制御による筋肥大促進機構の解明/新規筋萎縮予防治療法の開発
Project/Area Number |
25282202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
武田 伸一 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 部長 (90171644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 友子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (00342931)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋肥大 / 筋萎縮 / カルシウム / nNOS / NO / ATP / P2Y / IP3R |
Research Abstract |
近年、高度の高齢化社会を背景とし、加齢性および病原性に生ずる筋萎縮は、我が国の深刻な問題となっている。本研究は細胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)に注目した筋肥大の分子機構を明らかにすることにより、臨床応用に向けた筋肥大促進剤・筋萎縮予防/軽減剤の開発を目指す。 平成25年度は筋肥大におけるATP/P2Y/IP3受容体経路による[Ca2+]i制御機構の解析および、[Ca2+]i依存的に制御される転写ネットワークの同定を試みた。細胞外のATPはGPCRの一種であるP2Y受容体と結合し、筋小胞体に局在するCa2+チャネルであるIP3受容体を活性化することで、[Ca2+]iを上昇させる。本年度はsiRNAを用いたgene knockdownを行うことにより、ATP/P2Y/IP3受容体経路により、[Ca2+]iが上昇し、mTORが活性化することをin vitroにおいて確立した。またATPをマウスに投与することにより、筋肥大が促進され、後肢懸垂・除神経による筋萎縮が軽減できることがわかった。 また、この時に活性化される転写ネットワークを明らかにするため、運動負荷依存的な遺伝子発現変化と、ATP投与により生じる遺伝子変化を網羅的に比較した。マイクロアレイ解析ソフトGeneSpring GXにより解析した結果、負荷・ATP投与数時間内に上昇する転写因子・サイトカインを同定することができ、今後、同定された遺伝子が [Ca2+]i依存的に発現が上昇・低下するかin vitroにおいて確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画は筋肥大におけるATP/P2Y/IP3受容体経路による[Ca2+]i制御機構の解析および、[Ca2+]i依存的に制御される転写ネットワークの同定であり、同計画は予定通り遂行された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、平成25年度に得られた遺伝子発現解析の結果を元に、[Ca2+]i依存的かつ筋肥大に関与する遺伝子を明らかにする。またin vitroスクリーニングにより、ATP以外に[Ca2+]iを上昇させる薬剤を探索する。
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Research Products
(12 results)