2013 Fiscal Year Annual Research Report
スマートフォンと画像を利用した食生活モニタリングシステムの開発・実践・検証
Project/Area Number |
25282205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相澤 清晴 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (20192453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 秀美 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養疫学研究部, 部長 (50270690)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食事記録 / 食生活 / マルチメディア / スマートフォン / ユーザスタディ |
Research Abstract |
本研究では,スマートフォンを用いた食事内容のセルフモニタリングによる健康増進についての研究を行う.これまでは,メニューや食材などを人が毎日書き下すことで食事内容を把握し,健康管理につなげることが広く行われてきた.しかし,記録ノートを携帯する不便さや専門家からのフィードバックに即時性がないことなどから,記録の負担が大きく,継続しにくく,行動変容につながりにくいという問題がある.我々は,普及の著しいスマートフォン上で画像を使ってインタラクティブに食事内容(カロリー)入力を行うためのツールを研究開発してきた.画像処理を行うことで,人の手間を大きく軽減することができる.本研究では,利用者の行動変容を促し,健康増進につながるアプリケーション開発を目指す. 開発した食事記録のためのスマートフォンツールとしてFoodLogを2013年7月に公開した.そのツールでは,食事の写真を登録するとともに,写真の中の食事領域を指定することで,画像検索により食事品目の候補を表示する.本研究の課題として,このスマートフォンのツールのユーザビリティの検証を掲げており,そのために以下の2つの実験を行った. (1)画像を使うFoodLogの有効性の検証:テキストのみでの食事記録ツールと画像を使う食事記録ツールの比較実験を行った.18人の被験者が,1か月間日常生活の中で使用し評価した.画像を使うツールで,主観的な評価が有意に高く,FoodLogツールの有効性を示すことができた. (2)自己管理にFoodLogを用いることの有効性の検証:日常生活でFoodLogを3か月用い,ツールだけ用いる場合,ツールを用いてさらにモニターからのフィードバックのある場合,何も用いない場合の比較を行う実験をすすめた.大きな展示会等での参加者の募集を行い,実験の途上にある.参加人数が不十分であり,さらに人を集めての実験をすすめる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スマートフォンのアプリケーションが公開でき,実験する環境がそろい,ユーザ一人一人の食事記録をモニターするシステムが構築でき,技術的な事項に関しては,おおむね期待したように進行してきた. 主たる課題としている検証について,日常生活の中での,この画像技術を駆使した食事記録ツールの有効性についての確認をすることができた. さらに,食生活改善につながる支援への効果の検証実験についても,まだ,結果はでていないが,実験には着手し,一部小規模に開始した.
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Strategy for Future Research Activity |
食生活改善につながる要因を検証する実験をまず続けて行う必要があり,被験者を集める舞台を変えて行う予定にしている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の項で述べたように,日常生活でのFoodLogの利用による有効性評価の参加人数が予想よりも少なく,実験の舞台をかえて,次年度に行うことにしたため. 使用目的への変更はなく,FoodLogの検証実験に用いる.
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