2013 Fiscal Year Annual Research Report
身体活動推進のためのポピュレーション・アプローチ:地域無作為化試験
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25282209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 茂 東京医科大学, 医学部, 教授 (00349466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下光 輝一 東京医科大学, その他部局等, 名誉教授 (90206243)
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
原 丈貴 島根大学, 教育学部, 准教授 (40420723)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 公衆衛生 / 身体活動 / ヘルスプロモーション / ポピュレーションアプローチ / ソーシャルマーケティング / 地域介入研究 / クラスターランダム化試験 |
Research Abstract |
本研究は身体活動推進のポピュレーション・アプローチの効果を質の高い研究デザイン(クラスターランダム化試験による地域介入研究)で検討するもので、介入手法はソーシャルマーケティング理論に立脚したコミュニティ・ワイド・キャンペーンとする。研究は平成21年10月から開始されている。平成25年度は、1)地域介入の継続、2)これまでに収集した結果の分析、を行った。 1)地域介入の継続:公民館区を単位として、対照地区3地区、介入地区9地区が設定されている。介入は、①情報提供(マーケティング理論に立脚した情報提供の展開、チラシ、ポスター、のぼり等の活用、町内放送の活用など)、②教育機会(お祭り、健診、地域の集まり等を活用したミニ教室など)、③サポート環境(医師や地域のキーパーソンを活用したソーシャルサポートの強化など)の3つの側面に整理して実施した。可能な限り既存の事業を活用し、少ないスタッフで多くの対象者の行動変容を図る住民参加型の介入を行っている。 2)これまでに収集した結果の分析:本研究では、地域からランダムに抽出した住民を対象とした追跡調査を行っているが、介入1年後調査では、住民の「介入への認知」「知識」において効果が認められたが、「信念」「意図」「行動」レベルでは十分な効果が認められていない(kamada2013)。地域住民へのインタビュー調査、プロセス評価では行動変容における「口コミ」「ソーシャルサポート」の重要性が明らかとなった。口コミを活用したマーケティング戦略は経営学においてインフルエンサー・マーケティングと呼ばれており、近年の話題となっている。この分析をもとに、口コミ、地域のインフルエンサーの影響力を活用した介入を強化している。 引き続き、平成26年10月まで介入を継続し、最終評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画は予定通りに実施されている。本研究は地域介入研究であり、既に平成21年10月から開始されている。平成26年10月には介入効果の5年後評価を行い、平成27年度には最終的なアウトカム(要介護、死亡情報)の把握、結果分析を行う。平成25年度の計画は1)地域介入の継続、2)これまでに収集した結果の分析を行うことだった。 1)介入は順調に継続している。本研究では公民館区を単位として、対照地区3地区、介入地区9地区が設定されているが、介入9地区において、チラシやリーフレットの全戸配布(10月、11月)、音声放送(12-3月)、行政および地域イベントを活用した教育、インフルエンサーによる口コミ普及の促進などを実施した。適宜、介入戦略会議を開催して研究者代表者、分担者と現地スタッフ(研究協力者)で介入の方向性を確認している。平成25年度は5月に研究班を構成する井上、原、石川、鎌田と現地スタッフが、10月には原、石川、鎌田と現地スタッフが現地の視察と介入戦略検討会を実施した。また、8月と1月には東京にて井上と現地スタッフ(北湯口、若林)が介入戦略検討会を実施した。 2)これまで収集したデータの分析を進めた。1年後評価の結果が論文化された(kamada2013)。ベースライン評価のデータを用いた論文を投稿しunder reviewである。3年後評価のデータを用いた論文が間もなく投稿可能となる。その他、保健の科学、公衆衛生情報、健康運動指導士テキスト等にポピュレーション戦略を主眼とした総説・テキストを執筆した。学会発表では、地域介入・ポピュレーションアプローチを主眼としたシンポジウム(日本体力医学会、健康学習学会など)を企画した。 以上は計画通りの実施内容である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに進行しており、平成26年度も当初の予定通りに研究を実施する。 1)10月まで地域介入を継続する。介入は現地の研究協力者(雲南市職員を含む)が中心となって進めており、研究代表者、分担者、協力者がサポートする。介入戦略会議を4月17-18日(実施済み)、6月19-20日、8月に企画する。介入の方向性は固まっており、介入量を増やすことに主眼を置く。 2)10月に介入5年後評価を行う。地域住民を対象とした郵送調査であり6月から7月にかけて調査票を作成する。また、要介護情報取得、死亡情報取得の準備を進めている。インフォームドコンセント、行政との話し合いは終了しており、郵送調査が終了する10月以降、データ収集に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度予算の10%程度(約46万円)を平成26年度に繰り越した。これは、平成26年度に大規模住民調査を予定していること、また、介入が最後の追い込みに入り、予算が不足傾向であることを考慮して、平成25年度活動において、インターネット会議の活用、優先順位の低い支出の抑制(人件費、介入資材費など)等に努めたためである。 平成26年度は介入効果の最終的な評価を実施する年度であり、3年間で最も費用を要する。繰り越された費用で、介入をさらに充実させると共に、調査の回収率向上(調査実施のお知らせ、非協力者へのリマインダー等)のための費用として活用する。
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Research Products
(33 results)
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[Journal Article] Association of overweight and elevation with chronic knee and low back pain: a cross-sectional study2014
Author(s)
Hamano, T., Kamada, M., Kitayuguchi, J., Sundquist, K., Sundquist, J., Shiwaku, K.
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Journal Title
Int J Environ Res Public Health
Volume: VOL. 11
Pages: 4417-4426
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Associations between perceived health benefits and barriers to strength training, and stages of change for strength-training behavior among older Japanese adults2014
Author(s)
Harada, K., Shibata, A., Lee, E., Oka, K., Nakamura, Y.
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Journal Title
Journal of Physical Activity & Health
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed
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[Journal Article] A community-wide campaign to promote physical activity in middle-aged and elderly people: a cluster randomized controlled trial2013
Author(s)
Kamada, M., Kitayuguchi, J., Inoue, S., Ishikawa, Y., Nishiuchi, H., Okada, S., Harada, K., Kamioka, H., Shiwaku, K.
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Journal Title
Int J Behav Nutr Phys Act
Volume: VOL. 10
Pages: 44
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Perceived neighborhood environment and physical activity in 11 countries: Do associations differ by country?2013
Author(s)
Ding, D., Adams, M.A., Sallis, J.F., Norman, G.J., Hovell, M.F., Chambers, C.D., Hofstetter, C.R., Bowles, H.R., Hagstromer, M., Craig, C.L., Gomez, L.F., De Bourdeaudhuij, I., Macfarlane, D.J., Ainsworth, B.E., Bergman, P., Bull, F.C., Carr, H., Klasson-Heggebo, L., Inoue, S., et al.
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Journal Title
Int J Behav Nutr Phys Act
Volume: VOL. 10
Pages: 57
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 世界標準化身体活動質問票(GPAQ)第2版日本語版の作成2014
Author(s)
中田由夫, 井上 茂, 大河原一憲, 岡浩一朗, 小熊祐子, 高田和子, 田中茂穂, 田中千晶, 萩裕美子, 齋藤義信, 村瀬訓生
Organizer
第24回日本疫学会学術総会
Place of Presentation
艮陵会館、日立システムズホール仙台(宮城県仙台市)
Year and Date
20140123-20140125
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[Presentation] 高齢者のTV時間と他の座位行動との関連2013
Author(s)
菊池宏幸, 井上 茂, 大谷由美子, 小田切優子, 高宮朋子, 岡浩一朗, 北畠義典, 下光 輝一
Organizer
第68回日本体力医学会大会
Place of Presentation
日本教育会館, 学術総合センター, 共立講堂(東京都千代田区)
Year and Date
20130921-20130923
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[Presentation] Associations between objectively-measured environmental attributes and physical activity among Japanese adults2013
Author(s)
Inoue, S., Suijo, K., Nakaya, T., Ohya, Y., Odagiri, Y., Takamiya, T., Shimomitsu, T.
Organizer
IGU 2013 Kyoto Regional Conference
Place of Presentation
国立京都国際会館(京都府京都市)
Year and Date
20130804-20130809
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[Presentation] Associations with change in waist circumference of TV viewing time and leisure-time physical activity accumulated over 12 years2013
Author(s)
Oka, K., Shibata, A., Sugiyama, T., Salmon, J., Dunstan, D.W., Owen, N.
Organizer
The 2013 Annual Meeting of the International Society for Behavioral Nutrition & Physical Activity
Place of Presentation
Ghent, Belgium
Year and Date
20130522-20130525