2016 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能向上とうつ病予防のための睡眠習慣と運動プログラムの開発
Project/Area Number |
25282210
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
野田 明子 中部大学, 臨床検査技術教育・実習センター, 教授 (80252287)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 邦弘 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50569796)
安田 宜成 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60432259)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 認知機能 / 睡眠 / 運動 / 抑うつ / 脳活動 / 血圧 / 動脈硬化 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病・認知症予防を目的とし、従来、食事・運動療法が実施されているが、睡眠不足・不眠はそれらの効果を抑制する。睡眠不足・不眠・睡眠呼吸障害は心血管病およびうつ病を促進する。認知機能の向上とうつ病予防を目的とし、若年者と高齢者に睡眠指導と運動療法を行い、それらの効果について検討した。若年者および高齢者ともに、睡眠時間の短縮は脳活動の低下の有意な因子であったが、長時間睡眠の影響は若年者および高齢者ともに明らかではなかった。日常の身体活動および適切な睡眠時間は、若年者の作動記憶に重要な役割を果たしていると考えられた。一方、生活習慣病のコントロールが良好な高齢者では睡眠時間は脳活動に影響を及ぼす有意な要因と考えられた。睡眠障害群に比し快眠群では認知機能の向上やうつ病予防に適度な運動は効果的であった。以上から、年齢・基礎疾患・運動習慣に加え、睡眠時間・不眠・睡眠覚醒リズムを考慮した睡眠指導・運動プログラムが認知機能の向上およびうつ病の予防に有効と考えられた。 当該年度において、我々が開発した無拘束睡眠モニタによる新しい睡眠障害指標を作成した。新指標の疾患特異度は低いが睡眠障害スクリーニングとしての有用性は高いと考えられた。従来の睡眠評価法では多大な労力が必要とされるため、睡眠障害とうつ症状の因果関係や睡眠を考慮した非薬物治療戦略については未だ十分検討されていない。本開発機器が認知症やうつ病の予防に役立つ睡眠指導・運動療法プログラムの評価機器として実用化できるよう、今後検証する予定である。さらに、在宅でも対応できるうつ病・認知症予防のための遠隔システムの構築を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知機能の向上とうつ病予防のための運動・睡眠指導の効果が明らかとなり、若年者および高齢者各々におけるより効果的な睡眠習慣と運動プログラムを検討中である。また、開発機器による認知機能の向上とうつ病予防に役立つ睡眠障害検出のための新しい指標を作成した。以上の理由から本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
在宅で医療機関や保健機関と連携できるシステムを構築する。認知症・うつ病予防対策のための遠隔システムによる長期的な睡眠習慣と運動プログラム効果を検討する。健康管理を継続したデータの長期蓄積は認知症・うつ病の予知・予防を実現可能にすると考えられる。
|
Causes of Carryover |
学内の会計手続きの関係上、支払いが次年度に回ったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
多くの検体を同時に測定する実験のため、28年度分のデータと合わせて解析する。
|
Research Products
(17 results)