2014 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の易疲労性と疲労回復性の定量評価法を活用した抗疲労研究
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25282211
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
水野 敬 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 基礎科学特別研究員 (60464616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上土井 貴子 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (90363522)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 疲労 / 思春期 / 自律神経 / 発達 / 睡眠 / 認知機能 / パフォーマンス / 慢性疲労症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期の睡眠不足や食習慣の乱れによる疲労の蓄積は学習意欲や学力低下を引き起こすため、疲労克服法の開発は喫緊の課題である。先行研究では、単回測定による疲労の定常評価に留まっているが、実際には小児慢性疲労症候群患者では労作後疲労や疲労回復の遅れが中核をなす愁訴であり、易疲労性や疲労回復性といった疲労の動的側面の定量評価法の開発が望まれている。本基盤研究では、小中学生と小児慢性疲労症候群患児の生理学的メカニズムに立脚した易疲労性・疲労回復性の定量評価法を開発および疲労軽減・回復法の創出を目的とした。今年度は、昨年度確立した易疲労性・疲労回復性の定量評価試験デザイン法を基にして、参加被験者およびその保護者による研究参加のインフォームドコンセントを得た後、小児慢性疲労症候群患児と健常児の比較試験を実施した。課題前、課題中および課題後の自律神経機能検査にて交感神経活動が亢進し、副交感神経活動が低下することが、小児慢性疲労症候群患児の特徴として認められた。課題前、課題中および課題後いずれの測定期間でもこの傾向がみられ、易疲労性と疲労回復性の定量評価指標として、自律神経機能動態が有用であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初の予定通り、思春期の健常児および小児慢性疲労症候群患児において、易疲労性・疲労回復性の定量評価指標の確立ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始当初の予定通り、これまでに確立した易疲労性・疲労回復性に関する定量評価法・評価指標を基にした治療介入効果の検証研究を実施する。
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Causes of Carryover |
研究進捗状況を考慮し、当該年度に予定していた成果の論文化、学会発表を行うための費用を次年度に繰り越すため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の論文化、学会発表を行うための費用として活用を予定する。
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Research Products
(3 results)