2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動支援ボランティア育成を柱とした包括的介護予防システムの構築とその波及効果
Project/Area Number |
25282213
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大藏 倫博 筑波大学, 体育系, 准教授 (60396611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 和司 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (00569121)
金 憲経 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究副部長 (20282345)
田中 喜代次 筑波大学, 体育系, 教授 (50163514)
武田 文 筑波大学, 体育系, 教授 (80216902)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 運動支援ボランティア / 介護予防 / スクエアステップ・エクササイズ / サークル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は43名の運動支援ボランティア(以下、ボランティア)を育成し、茨城県笠間市内のボランティア数は203名になった。 笠間市では、ボランティアが運営するスクエアステップ・サークル(以下、サークル)は、自治体主催の運動教室(以下、教室)を修了した高齢者が、運動を継続実践する場として機能している。教室修了者を対象とした調査からは、「スクエアステップ・エクササイズ(以下、スクエアステップ)が好き」という気持ちがサークル参加の促進要因に、「疾患や身体に痛みがある」といった問題が阻害要因になることが示唆された(Sato et al., 2014)。また、教室修了後にサークルの中で運動を実践することは、下肢筋力の向上につながり(佐藤ら,2014)、サークル参加者の70%が「スクエアステップは体力維持・健康によい」と効果を実感していることが示唆された(神藤ら,2014)。 教室については、男性高齢者の参加者数が少ないことが問題とされており、我々は、男性高齢者を対象とした教室、ボランティア育成をおこなった。男性ボランティアが開催する男性限定のサークルは、「女性の割合が多い教室は参加しにくい」と感じる男性高齢者にとって気楽に参加できる運動実践の場となり得ることが示唆された(國香ら,2015)。 平成26年度は、笠間市を構成する3地区のうち1地区(岩間地区)において、二次予防事業対象者把握事業がおこなわれた。本事業の質問紙調査では、全回答者(2,020人)の28.6%がスクエアステップを「やったことがある、知っている」と回答しており、前年度の結果(25.7%)と比較して、わずかに認知度が増していた。こうした認知度の変化には、ボランティアらの活動が影響していると推測される。 上記のとおり、平成26年度は介護予防活動としてのサークルの効果や役割、スクエアステップの普及状況について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、研究計画調書および交付申請書で提示した、ボランティア育成、合計200名を対象とした縦断研究の実施、サークル参加者へもたらされる効果の検討をおこなった。これにより、サークルへの参加が高齢者の身体機能および他の諸機能に与える効果に関する知見を得ることができたことから、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度にあたる平成27年度は、これまでと同様に、ボランティア育成およびサークル参加者を対象とした縦断研究をおこなう。 ボランティア育成には、既にボランティアとして活動する高齢者を招き、サークルでの活動について現状や課題を中心に話し、議論する機会を設ける。これによって、ボランティア活動に対する理解を促し、高齢者同士の交流を促進する。また、ボランティア数を増加させると共に、ボランティアの運動指導技術の向上にも取り組む。具体的には、ボランティアを対象としたスキル・アップ研修を開催する。ボランティア育成およびスキル・アップ研修の開催によって、質の高い運動指導・支援を提供できるボランティアを多く育成していく。 サークル参加者を対象とした縦断研究については、600名を対象とした調査・測定を実施し、最大5年間の縦断データを用いて、ボランティア活動およびサークル参加の継続効果を検討し、加えて、ボランティア活動とサークル参加の継続効果の違いを明らかにする。これにより、研究計画の中で掲げた課題のうち、未だ十分に検討されていない課題の解明に取り組む。
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Causes of Carryover |
平成26年度には、研究計画通り地域在住高齢者を対象とする大規模調査を実施したが、対象者数が当初予定していた人数(1000名)に満たず、計画の約半数(600名)であった。これに伴い、調査実施にかかる経費が計画よりも低額になり、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に再度調査を実施するため、この調査費用として使用する。
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Research Products
(40 results)
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[Journal Article] Incidence and predictors of sarcopenia onset in community-dwelling elderly Japanese women: 4-year follow-up study2015
Author(s)
Kim H, Suzuki T, Kim M, Kojima N, Yoshida Y, Hirano H, Saito K, Iwasa H, Shiamda H, Hosoi E, Yoshida H
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Journal Title
J Am Med Dir Assoc
Volume: 16
Pages: 85.e1~85.e8
DOI
Peer Reviewed
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