2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25282229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 真二 東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 准教授 (30373369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 幹子 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (40376950)
朝野 維起 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (40347266)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / 転写制御 / 光受容体 |
Research Abstract |
本研究では、青色光受容体PixDとPixDと光依存的に相互作用するタンパク質PixEを利用して、任意の転写因子の機能を光依存的にインターカレートすることにより、真核多細胞生物個体内で任意の遺伝子の発現を時空間制御する方法を構築することを目指している。また、確立した方法を利用して、今まで調べることのできなかった神経発生に関与する転写因子の機能、植物の形態形成に関与する遺伝子、光でのみ解析可能な代謝調節因子に関する研究を遂行する。 これまでの研究で、PixDは暗所で10量体を形成しており、光照射によりこの10量体は2量体にコンフォメーションを変えることがわかっている。またPixEは10量体のPixDのみに結合し、2量体のPixDには結合しないことがわかっている。しかしPixDおよびPixEのどの部位が相互作用しているのはよくわかっていない。 今年度は、イーストツーハイブリッド法を利用して、PixDとPixEの相互作用の最小部位を明らかにする実験を遂行した。その結果、PixDのC末端とPixEのN末端が相互作用していることがわかった。 これまでにゼブラフィッシュの尻尾の形成に必要な転写因子NtlにPixEを融合させたコンストラクトの作成および、PixDを恒常的に発現させるゼブラフィッシュの作成に成功している。この組換えゼブラフィッシュ内に組換えNtl遺伝子を導入すると、その機能が光依存的に制御されうることを明らかにした。この方法をPICCORO(PixD complex-dependent control)と名付け、発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、PixD-PixEの光依存的相互作用の最小領域の検討、PixD-PixEの光依存的相互作用を利用したゼブラフィッシュ内での転写因子機能制御の検討、を計画し実験を遂行してきた。最初の実験に関しては、イーストツーハイブリッド法を利用して、PixDのC末端とPixEのN末端が相互作用することを明らかにすることができた。またPixDを恒常的に発現するゼブラフィッシュを作成し、その中でPixEを発現させたところ、その機能が光依存的に制御されうることを明らかにできた。これらのことから、これまでの研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
構築したイーストツーハイブリッド法を利用して、相互作用が失われる、もしくは失われない変異体の単離を行う。具体的には、PixD-PixEの野生型同士の相互作用は酵母内でも光依存的に行われ、光を照射して酵母を培養すると選択培地上で育たないことがわかっているので、光照射時でも育つ変異体の単離を進めることで、インタラクションが光非依存的に起こる変異体を単離できる。単離した株の変異箇所を調べることで、光シグナル伝達経路のアミノ酸を同定する。 これまでに、ゼブラフィッシュ内で転写因子の機能を制御することに成功した(PICCORO法と名付けた)。この方法を今後植物に応用する。具体的には、植物の花の形態を制御する転写因子にPICCORO法を応用し、光照射により、花の形態を変化させることを試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ゼブラフィッシュの飼育費用が、他の研究室との共同利用により予定よりも費用がかからなかったため、一部基金を来年度(平成26年度)に繰り越した。 平成26年度では、平成25年より繰り越した基金を、新たに実験材料に加えるモデル植物シロイヌナズナの栽培費用や試薬代の購入に充てたい。
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Research Products
(8 results)