2014 Fiscal Year Annual Research Report
内因性低分子が切り拓くオートファジー誘導機構の研究
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25282236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有本 博一 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (60262789)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファジー / タンパク質修飾 / 細胞内情報伝達 / 活性酸素 / 医薬品探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患におけるタンパク質凝集体や、細胞内に侵入したバクテリアの排除にはオートファジーとよばれる分解機構が重要な役割を果たしている。8-ニトロcGMPは、我々によってオートファジー制御分子であることが明らかにされ、前年度に論文発表した。この内因性分子のオートファジー誘導機構について、前年度に引き続き検討をおこなった。研究期間全体では3つの検討項目を掲げている。すなわち、1.8-ニトロcGMPの標的タンパク質の同定とオートファジーとの関連解明;2.選択的オートファジーによる細菌排除の機構解明;3.8-ニトロcGMPに関連する化合物ライブラリーの作成と、細胞内感染細菌や神経変性疾患に対する治療効果評価である。まず、項目1については、8-ニトロcGMP自身、および化学プローブによって修飾される主要な標的タンパク質を精製し、LC-MSを用いて分析した。複数の候補物質が得られたので、これらを順次RNAIでノックダウンし、オートファジー誘導に対する影響を調べた。これらの過程で、S-グアニル化修飾は受けないものの、あるタンパク質が8-ニトロcGMPによるオートファジーに関与することが示唆された。項目3については、ハンチントン病を念頭において作成されたポリグルタミン発現細胞で、合成ライブラリーの評価を継続した。8-ニトロcGMP以上の効果を示す化合物が複数得られており、さらに次年度も検討を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も交付申請書に掲げた計画を順次実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
8-ニトロcGMPのオートファジー誘導機構解明にむけて引き続き検討を行う。
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Causes of Carryover |
最終年度にあたる27年度において、広汎なRNAi実験を実施するため、必要な研究費をとり置いたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度の交付申請書にあるように、3つの検討項目に使用する。特に、8-ニトロcGMPの標的同定の項目でおこなうRNAi実験に用いる。
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Research Products
(6 results)