2013 Fiscal Year Annual Research Report
無細胞翻訳系を用いた膜タンパク質進化分子工学的手法の開発と応用
Project/Area Number |
25282239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 友亮 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50362653)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 進化分子工学 / 無細胞翻訳系 / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
<研究成果の内容・意義・重要性> 本研究では、in vitroで膜蛋白質をスクリーニング可能な技術Liposome display法を確立し、これを利用した膜蛋白質の実験室内機能進化を行うことを目的とする。Liposome display法には大きくわけて2つの方法、(1)FACS-base法と(2)panning-based法が考えられる。その違いは、膜タンパク質の機能評価を行う方法に依る。FACS-based法では、膜タンパク質の機能評価を蛍光セルソーター(FACS)により行うのに対して、panning-based法では、膜タンパク質が特定のリガンドに結合する能力を指標としてスクリーニングを行う。2013年度は、Pannig-based法の確立を目指した。 大腸菌由来多剤排出トランスポーターの1つであるEmrEをモデル膜タンパク質として用いた。EmrEのC末端にmyc-tag、FLAG-tagを融合させたEmrE-myc、EmrE-FLAGの2種類をそれぞれを表面に呈示するリポソームを調製し、その後、anti-myc抗体へ結合するリポソームを回収し、EmrE-myc遺伝子の回収率を調べたところ、EmrE-FLAGのそれよりも1000倍高いことがわかった。このように、目的の膜蛋白質遺伝子を特異的に選択できる条件を見出した。 2013年度のもう一つの目標は、リポソーム内膜蛋白質合成系へのトランスロコンの導入である。我々は、細胞サイズのリポソーム内で無細胞翻訳系を用いて膜蛋白質を合成し、これを効率よく膜挿入させるためにリポソーム内に膜蛋白質を膜へ輸送するシステムであるトランスロコンを導入することにも成功した。具体的には、大腸菌のsec輸送系をリポソーム内に導入したところ、EmrEの膜への呈示率が10倍向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Panning-base法の確立とトランスロコンの導入の2つを実施することを目指し、共に達成できた。よって、当初の予定通り達成できているため、順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
<2014年度> Panning-based法については、抗体を用いたモデル選択実験が達成できたので、次にトランスポーターであるEmrEの基質の一つであるEtBrに対する結合能で特異的な選択が行えるのかを確認する。また、初年度の購入したリポソームの分析用のフローサイトメーターを用いてFACS-based法を確立する。 <2015年度> 2014年度までで構築した手法を用いて高機能EmrE変異体を創出する。liposome display法を用いてEmrEの高機能変異体を創成し、その配列・機能相関などからEmrEの基質認識メカニズムに関する新たな知見を得る。
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Research Products
(12 results)