2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25282240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 洋 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (80415067)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | RNA / 化学反応 / RNA干渉 |
Research Abstract |
本年度は、ビルドアップ型siRNAを検証した。25塩基対の2本鎖RNA(siRNA)を4つに断片化し低分子化したRNA断片を設計した。断片にはホスホロチオエート(PS)基とヨウ化アセチル基を末端に導入する。これらは化学反応によって連結され元の長さの25塩基対のRNAを形成し、RNA干渉効果を示すと考えた。また、細胞外では反応しないようにPS基はフェニルジスルフィドで保護する。これら断片化RNAは細胞内に導入されると、細胞内の高濃度のグルタチオン(GSH)によりPS基は脱保護され、化学的RNA連結反応が進行し、活性型siRNAが構築される。実際に、試験管中で本反応が進行するかを検証した。ビルドアップ型RNA断片をGSHが存在する溶液中で30分処理し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて解析した。その結果、GSHが存在するときのみに完全長のRNA2本鎖が形成されることが明らかとなった。これはGSHでフェニルジスルフィド保護基が除去されて初めて化学的連結反応が進行することを意味する。つづいてビルドアップ型RNA断片を細胞内に導入して、実際にRNA干渉が起こるかを検証した。化学反応基がない断片化RNAでは全くRNA干渉効果を示さなかった。一方、化学反応基があるビルドアップ型RNAは顕著なRNA干渉効果をしました。試験管反応と同様に細胞内でもGSHによる脱保護を引き金としてRNA干渉効果を引き起こしたと考えられる。さらに、通常RNA干渉に用いられる25塩基対のRNAとビルドアップ型RNAの免疫応答の強さを比較した。その結果、25塩基RNAが強い免疫応答を示すのに対して、短いビルドアップ型RNAは免疫応答を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビルドアップ型RNAのRNA干渉効果を確認し、論文に投稿することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、ダンベル型環状一本鎖RNAや分岐型RNAを合成し、従来の二本鎖RNAよりも血清中で安定性が向上すること、かつRNA干渉活性の持続性を確認した。しかしながら、低濃度で有効且つより高い活性を獲得すべくその構造の最適化を進めていく必要がある。また、二本鎖RNAを用いたRNA干渉法の課題である免疫応答による非特異的遺伝子発現抑制現象を、ナノ構造化することで回避・低減できないか、検討を行う。ダンベル型RNA構造は、2つのループ部とステム部に分類できる。この2つの部分の長さ及びループ部の配列を変えた誘導体を種々合成する。ループ部は、安定性やダイサーに対する反応性に重要と考えられることから、詳細な構造活性相関を検討する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は所属の移動があり、研究室のセットアップに時間がかかり、本格的な研究活動を26年度から行うこととした。そのため、26年度に予算を繰り越した。 博士研究員の雇用費用に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)