2015 Fiscal Year Annual Research Report
生活世界の変容とジェンダー:インド高齢女性のライフヒストリーを通して
Project/Area Number |
25283006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
押川 文子 京都大学, 地域研究統合情報センター, 名誉教授 (30280605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 祐子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (70212272)
松尾 瑞穂 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (80583608)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インド / 高齢女性 / ライフヒストリー / 家族規範 / 少子化 / 女子教育 / 消費化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近年急激な社会変容が進行しているインドを対象に、高齢女性のライフヒストリーを通じて、家族関係、家族や個人と地域社会やコミュニティとの関係、消費生活、雇用・教育・移動などの影響、情報化などが、日常生活のレベルでどのように具体的に展開してきたかを明らかにすることである。 平成27年度は、前2年度に引き続き、デリー、プネ、ヴァラーナスィーという経済成長の様相をことにする都市とその周辺において、おもに60歳以上の女性を対象に、詳細なライフヒストリーを聴取し、インタビュー言語(ヒンディー語、マラーティー語、英語)によるテープ起こしおよび英語への翻訳作業を行った。本研究期間中に約40件の詳細なライフヒストリー記録をまとめた。対象となったのは、都市中間層上層、都市低所得層・都市中間層、農村(中間層、貧困層)など多様な階層・地域の高齢女性である。なお、本研究の終了時においては、記録に含まれる個人情報も考慮し全文記録としての公開を行わず、今後、①記録を整理したうえで非商業出版の形で記録集を作成、②記録の分析をもとにした学術書の刊行、を予定している。 現時点で得られているファインディングスは以下の通りである。 ①ほぼすべての事例で、家族関係にはきわめて大きな変化が生じている。少子化は都市・農村中間層や貧困層においても急激に進行し、世代間(義父母と嫁など、父と息子など)やジェンダーによる規範も緩む傾向が顕著である。②しかし非婚や離婚は少なく、家族、および親族は、相互扶助や社会ネットワークの基礎的な紐帯としてむしろ重要性を増しており、教育普及や雇用機会を有利にとらえた家族成員の有無が家族戦略に決定的な役割を果たすようになった。③これまで看過される傾向のあった妻方親族や姉妹関係、女性の友人関係などが、家族の戦略とライフスタイルにもつ重要性が明らかになった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)