2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25284004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水谷 雅彦 京都大学, 文学研究科, 教授 (50200001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 康夫 京都大学, 文学研究科, 教授 (20314073)
海田 大輔 京都大学, 文学研究科, 講師 (40649133)
神崎 宣次 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (50422910)
伊勢田 哲治 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80324367)
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80372366)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会的責任 / 専門職倫理 / ビジネス倫理 / 医療倫理 / 環境倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで「企業の社会的責任」の文脈でのみ語られることの多かった社会的責任概念を組織一般のそれへと拡張し、現代社会において「組織」が持つ役割とその責任について、哲学・倫理学的立場から総合的な検討を行うものである。 平成25年度ならびに平成26年度に行った関連分野のサーベイ研究、構築した国際的な研究ネットワークを基に、関連分野の国内外の研究者の招へい、国際学会への研究者の派遣を行い、共同研究体制の強化を図った。倫理学者の鶴田尚美氏を2015年11月にポーランドで開催された国際会議「Human rights, Violence, Dictations」および、2016年2月にオランダで開催れたAdvanced European Ethics Courseへ派遣した。 同時に、哲学、倫理学の概念的な研究および生命科学、研究公正など、これまで深化させた論点について、以下の研究会やワークショップを開催し、幅広い研究者に討論、検討してもらう機会を設けた。その結果、生命科学、道徳心理学、ロボット倫理、分析アジア哲学などにおける組織の社会的責任に関する議論について、領域横断的な議論を行うことができた。アルバニア大学Bongrae Seok教授による道徳心理学についての講演「Empathy and Nociceptive Mirror Emotion in Embodied Moral Psychology」(2015年7月8-9日、京都大学)、イェール大学Wendell Wallach教授によるロボット倫理についての講演「A Dangerous Master: How to keep technology from slipping beyond our control」(2015年7月29日、京都大学)、ルール大学Jochen Vollmann教授による生命倫理についての講演「 Personalised medicine」(2015年11月9日、京都大学)、NPO法人「性犯罪加害者の処遇制度を考える会」の塩飽耕規氏を講師とする「ワークショップ 性犯罪への眼差し」(2016年3月26日、キャンパスプラザ京都)等。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのサーベイや研究ネットワークを基に、今年度は組織の社会的責任を考察する上で重要な関連領域に関わる研究者と共同研究体制を拡張することができた。加えて、哲学、倫理学での原理的な価値や概念の研究、および生命倫理などの個別領域における社会的責任概念をいっそう掘り下げることができた。さらに、こうした成果をもとに、国際的なワークショップや研究会の開催を通じてこれまでの研究成果を発信し、研究討議や意見交換を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、組織の社会的責任ついて、多様な学問領域からの検討をさらに深めるとともに、研究成果をワークショップや研究会議を通じて検討する場を引き続き設ける。そのために、国内外の研究者との連携強化に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
科学哲学に関して専門知識を有するトロント大学のイアン・ハッキング名誉教授を本学へ招へいし、滞在中にシンポジウムを開催、研究討議を行う予定であったが、本人の家庭の事情によりやむを得ず中止した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日程を調整し、平成28年度に上記イアン・ハッキング教授もしくはそれに相当する研究者を招へいし、シンポジウムを開催する予定である。
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Research Products
(42 results)
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[Book] 人文・社会科学のための研究倫理ガイドブック2015
Author(s)
眞嶋俊造, 奥田太郎, 河野哲也,神崎宣次,中澤栄輔,中原聖乃,藤木篤,土屋敦,福野光輝,金光秀和,新田孝彦, 村上祐子, 星野昌裕, 瀧澤弘和, 塚本晴二朗, 丸山雅夫
Total Pages
257 (17-49)
Publisher
慶應義塾大学出版会
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[Book] 社会と健康2015
Author(s)
川上憲人, 橋本英樹, 近藤尚己, 児玉聡
Total Pages
330 (233-252)
Publisher
東京大学出版会
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