2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25284012
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
竹田 健二 島根大学, 教育学部, 教授 (10197303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺門 日出男 都留文科大学, 文学部, 教授 (00217415)
岸田 知子 中央大学, 文学部, 教授 (20093403)
湯浅 邦弘 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30182661)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 懐徳堂 / 重建懐徳堂 / デジタルアーカイブ / 懐徳堂文庫 / 中井木菟麻呂 / 五井蘭洲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、6月29日(日)、8月25日(月)、12月20日(土)、3月27日(金)の4回研究会合を開催し、研究代表者・研究分担者・連携研究者・研究協力者が延べ15本の研究発表を行った。研究会合においては、発表毎に出席者全員による討議を行い、各発表者はその討議を踏まえて、各自研究成果を雑誌論文や学会発表として順次発表しつつある。 また、本年度も大阪大学附属図書館の懐徳堂文庫資料及び財団法人懐徳堂記念会の所蔵する懐徳堂・重建懐徳堂関係資料の総合調査を進めた。その成果として、研究分担者の寺門は、大阪府立中之島図書館蔵の『質疑篇』・『蘭洲先生遺稿』及び『非伊篇』が五井蘭洲の自筆本であることを解明しつつある。また研究代表者の竹田は、西村天囚が『懐徳堂考』上巻を執筆するに当たって利用した五井蘭洲関係資料が、大阪大学附属図書館の懐徳堂文庫及び大阪府立中之島図書館の「朝日新聞」文庫に現存すること、また中井木菟麻呂が明治期に大阪市史編纂係の幸田成友に提供した資料の写本が大阪市史編纂所及び大阪市立中央図書館に現存することなどを解明した。更に研究分担者の湯浅と研究代表者の竹田は、懐徳堂学主の子孫として、中井木菟麻呂と共に懐徳堂関係資料の保存・継承に尽力した中井終子関係資料が梅花女子大学に収蔵されていることを確認した。 本年度は懐徳堂・重建懐徳堂関係資料のデジタルアーカイブ化に着手し、先ず懐徳堂文庫所蔵の懐徳堂関係資料(所謂「懐徳堂記録」)など21点の撮影を実施した。また、撮影した資料の中でも初期懐徳堂の学問を理解する上で極めて重要な『論語聞書』をWEB懐徳堂に公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究会合を定期的に開催し、その研究会合において研究代表者以下研究会合に参加しているメンバーは、懐徳堂・重建懐徳堂に関する総合的資料調査を踏まえた研究発表を多数行っている。また発表後の討議も極めて充実しており、研究代表者以下研究会合に参加しているメンバーは、研究会合での発表・討議を経て順次各自の研究成果を雑誌論文・学会発表として発表している。また、懷德堂関係資料のデジタルアーカイブ化も順調に進展している。こうしたことから、本研究はおおむね順調に進展しているものと認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の一人である岸田知子氏の急逝に伴い、研究代表者と残る二人の研究分担者とを中心に今後の対応を急遽検討した。その結果、岸田氏の主な担当である「懷德堂研究の歴史・懷德堂通史」は、当初より分担者・湯浅邦弘氏が担当を同じくしていたこと、研究期間の残りが2年であること、また研究自体はこれまで研究代表者・研究分担者・連携研究者・研究協力者の緊密な連携のもとで遂行し、かつ概ね順調に成果を挙げつつあることなどから、以下のように対応することとした。すなわち、(1)研究計画の大幅な修正は行わないこと、(2)新たな研究分担者を置かないこと、(3)研究協力者として2名を増員すること、(4)研究代表者・研究分担者・連携研究者・研究協力者の連絡調整を更に緊密にし、一層連携を充実させること。 この結果、研究組織の分担としては下記の通りとした。 研究代表者・竹田健二(研究全体の統括、及び明治・大正期の懐徳堂・重建懐徳堂(中井木菟麻呂))。研究分担者・湯浅邦弘(懐徳堂研究の歴史、懐徳堂通史、懐徳堂における祭祀とその思想史的特質の検討)。研究分担者・寺門日出男(創設期の懐徳堂(三宅石庵・五井蘭洲))。連携研究者・矢羽野隆男(幕末~明治・大正期の懐徳堂・重建懐徳堂(並河寒泉・西村天囚ほか))。連携研究者・藤居岳人(全盛期の懐徳堂(中井竹山・中井履軒))。連携研究者・湯城吉信(全盛期の懐徳堂(中井竹山・中井履軒))。研究協力者・池田光子(懐徳堂文庫資料の書誌学的調査)。研究協力者・草野友子(中井終子関係資料の調査)。研究協力者・中村未来(中井終子関係資料の調査)。
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Causes of Carryover |
主として研究分担者が、研究分担者である岸田知子氏の逝去等、諸般の都合により本年度中に予定していた出張(おもに資料調査のための出張)を実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度中に予定していた出張のうち、必要なものは本年度に実施する。また、購入を控えていた消耗品の購入に当てる。
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Research Products
(9 results)