2013 Fiscal Year Annual Research Report
映像アーカイヴと実地調査による現代舞台芸術の「モビリティ」についての学際的研究
Project/Area Number |
25284035
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河合 祥一郎 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (40262092)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DE.VOS PATRICK 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00242032)
内野 儀 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (40168711)
竹内 孝宏 青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (60302816)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 演劇研究 / 舞台芸術 / モビリティ / パフォーマンス / 比較芸術 |
Research Abstract |
本研究の目的は、過去10年近くにわたって研究代表者が構築してきた現代舞台芸術の映像デジタル・アーカイヴをアップデートしつつ最大限に活用し、「移動性=モビリティ」という概念をコアにして、英国、フランス、ドイツ、アメリカ合衆国、日本等における舞台芸術創作の現場で起きていることを実証的に把握し、その事態を理論的に解明するために、グローバリゼーション時代にふさわしい現代舞台芸術の研究方法を再構築することを目指すものである。 当該年度は、以下の4点を達成目標に掲げ、ほぼ順調に研究は進捗した。 (1)各研究参加者がすでに所蔵している映像資料を理解し、その問題点を共有すると同時に、「移動性=モビリティ」をキーワードにしつつ、学界的なアウトプットを考慮した上での、既存の映像資料の具体的な分析作業を始めること。(2)各研究参加者が専門とする現代舞台芸術の諸分野につき、既存の映像資料デジタル・アーカイヴを拡充する上で必要な作品や作家を、「移動性=モビリティ」をキーワードにして選定し、本研究に資するアーカイヴ拡充の具体的な作業に入ること。(3)できるだけ早い時期に、今年度とそれ以降に対象とすべき国際演劇祭を選び、十分な準備期間を経て、当事者との連絡を行った上で、実地調査を行うこと。(4)「古典の上演」、「身体」という二つの場については、研究参加者の間の共有できる理論的前提を確保した上で、研究会等の活動を通じて、国際学会発表や学術論文としてアウトプットできるような準備を整えること。 ただし、(3)については、諸般の事情により、実地調査については、一回の調査をのぞき、準備段階にとどまることになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、当該年度のために掲げた(1)~(4)の達成目標、すなわち(1) 各研究参加者がすでに所蔵している映像資料を理解し、その問題点を共有すると同時に、「移動性=モビリティ」をキーワードにしつつ、学界的なアウトプットを考慮した上での、既存の映像資料の具体的な分析作業を始めること。(2) 各研究参加者が専門とする現代舞台芸術の諸分野につき、既存の映像資料デジタル・アーカイヴを拡充する上で必要な作品や作家を、「移動性=モビリティ」をキーワードにして選定し、本研究に資するアーカイヴ拡充の具体的な作業に入ること。(3) できるだけ早い時期に、今年度とそれ以降に対象とすべき国際演劇祭を選び、十分な準備期間を経て、当事者との連絡を行った上で、実地調査を行うこと。(4)「古典の上演」、「身体」という二つの場については、研究参加者の間の共有できる理論的前提を確保した上で、研究会等の活動を通じて、国際学会発表や学術論文としてアウトプットできるような準備を整えること。 以上については、ほぼ順調に作業を開始している。ただし、(3)の国際演劇祭の調査については、参加研究者の都合により、今年度は1件のにみとどまることになったが、次年度以降のために、当事者との連絡等は順調に行われている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当面、設定した研究方法に変更を加える必要は感じていない。ただ、参加研究者が年代的・世代的に学内雑務で多忙を極めるようになってきており、本研究をより効率的に進める方策を探らなければならない可能性が出てきている。次年度は、フランスのアヴィニヨン演劇祭、ドイツの世界演劇祭等への調査旅行を予定しており、周到な準備を重ねた上で、調査旅行を実行できるようにすることを考えている。 アーカイヴの構築については、予定通りに進んでおり、次年度以降も、そのまま、順調に進捗することが見込まれている。
|
Research Products
(9 results)