2014 Fiscal Year Annual Research Report
中日文化協会上海分会と関連文学者・文化人に関する基礎的・総合的研究
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25284052
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Research Institution | Osaka Gakuin Junior College |
Principal Investigator |
竹松 良明 大阪学院大学短期大学部, 経営実務科, 教授 (30249396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 将久 一橋大学, その他の研究科, 教授 (00298043)
山崎 眞紀子 札幌大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00364208)
戸塚 麻子 滋賀文教短期大学, その他部局等, 准教授 (10711450)
関根 真保 立命館大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20708698)
大橋 毅彦 関西学院大学, 文学部, 教授 (60223921)
趙 夢雲 東大阪大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80390152)
木田 隆文 奈良大学, 文学部, 准教授 (80440882)
高綱 博文 日本大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90154799)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中日文化交流 / 国際研究者交流 (中国) / 国際情報交換(中国) |
Outline of Annual Research Achievements |
1940年から45年までの中日文化協会の活動状況を、本部の置かれた南京、もっとも活動的であった上海を中心に、江南地方一帯の有力な図書館、公文書館での資料調査を継続した。大規模な研究調査としては、平成26年8月7日から15日まで、研究代表者の竹松以下研究分担者5人の計6人で、吉林大学図書館、ハルビン図書館、満州里図書館、大連図書館で、中日文化協会に関連する文献を調査した。調査の主たる対象は当時の中国で発行されていた日本語および中国語の雑誌に掲載された関連記事、関連著作であるが、新聞については当時の「大陸新報」と「新申報」の関連記事が最も詳細であるため、他の新聞の調査は割愛している。また平成27年3月9日から16日まで、研究代表者の竹松と研究分担者2人および研究協力者1人の計4人で、上海档案館、上海蔵書楼、南京図書館での資料調査を行った。 研究発表としては8月9日に本科研メンバーと日本上海史研究会の共催で、シンポジウム「グレーゾーンの国際比較」を大妻女子大学で開催、本科研メンバーからは鈴木将久が「戦時上海におけるグレーゾーン」を発表、また竹松がコメンテーターを務めた。また、平成27年1月11日に、本科研メンバーと日本上海史研究会の共催で、シンポジウム「戦時上海の文学空間を考えるー中日文化協会を起点としてー」を大阪学院大学で開催、戸塚麻子が「中日文化協会時代の石上玄一郎」、山崎真紀子が「田村俊子の1942年」、木田隆文が「日本統治下武漢における文化状況」をそれぞれ発表し、趙夢雲がコメンテーターを務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中国での資料調査が予測以上に難航する場合が多く、今年度末までに作成する予定の冊子体の資料集の内容がやや希薄なものになる恐れがある。資料が見つかっても現在中国の多くの図書館が古い文献のPDF化作業を進めているために、当分の間は閲覧できないという悪条件が災いしている。また、近年の日中関係の悪化を反映して、特に戦時下の時代の文献については全面的に複写・撮影を認めない場合もあり、最重要部分を手書きで写さなくてはならないこともある。そのため、資料調査にはなるべく多くの同行者が従事する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
資料調査のための中国への研究旅行は夏休みと冬休みの二回行う予定であり、平成28年3月までには中日文化協会に関する冊子体の資料集を作成する。また、本科研の申請時には研究対象とはしていなかった新たな課題として、戦時下の上海で出ていた「上海日日新聞」の文芸・文化記事細目を本科研メンバー全員で作成し、この新聞の復刻を作成した㈱丸善によってDVD版で頒布する。本年9月2日から4日まで、本科研メンバーと日本上海史研究会の共催で、奈良大学において「戦時上海におけるメディア」をテーマにした国際シンポジウムを開催する。さらに、このシンポジウムでの発表を集成して、平成28年3月刊行予定で健文出版から論文集を上梓する。
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Causes of Carryover |
初年度の計画では、最終年度での研究成果発表の一端として当該科研メンバー及び日本上海史研究会メンバーによる論文集を刊行する予定であり、そのための出版負担金を科研費から支出可能と考えていたため、次年度使用額が発生してしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今回の次年度使用額については、最終年度においても夏期休暇中及び冬季休暇中に実施予定の中国調査旅行費用として消化する予定である。
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Research Products
(20 results)