2013 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀スイスの国民統合と文化の政治―チューリヒ劇場をめぐる諸言説を手がかりに
Project/Area Number |
25284063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
葉柳 和則 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 教授 (70332856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 明 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00151465)
増本 浩子 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10199713)
中村 靖子 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70262483)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドイツ語圏文学 / 演劇学 / ヨーロッパ史 |
Research Abstract |
メンバー勤務先が地理的に隔たっているため、本格的な調査と研究会に着手する前に、資料の共有と意見の交換を円滑に行うための体制作りを行った。研究の資料的基盤となるのは、FileMaker Proを使って構築するテクストデータベースである。本年度は、平成18~23年度に研究代表者が科学研究費の補助を受けて作成した「フリッシュ研究文献概観」(2009)およびフリッシュの未公刊テクスト書誌データベース(未公開)のフォーマットを用いて、新たに入手した資料を電子ファイル化し、データを共有した(担当:葉柳)。 共同作業や研究会は、夏期、冬期、春期に数回、長崎、大阪、名古屋にて開催した(連絡担当:増本)。作家の手書き草稿の解読や、テクストの翻訳稿の検討にあたっては共同作業が主となる。研究会は、関連分野の研究者・院生に公開し、プロジェクトの意義をアナウンスするとともに、研究情報やアイデアを積極的に交換した。 スイスにおいて予備調査(チューリヒ劇場の上演記録と同時代のメディア関連資料)を行う(担当:市川、葉柳) 調査の結果として得られた資料を、メンバー間で共有するための電子ファイル化の作業、とりわけOCR処理とデータ点検を行った(担当:増本)。 平成25年度前半の研究成果を公表することによって、プロジェクトの基本的枠組みを広く公開し、他の研究者たちとの意見交換の中でブラッシュアップを図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたスイスをはじめとするドイツ語圏で資料調査、および共同作業・研究会は順調に実施し得た。また、海外の研究者とのコンタクトも計画通り取ることができた。研究成果もほぼ予定通り出ているが、現状ではインプットに比べて、アウトプットがやや少ないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度以上に積極的に研究成果の公刊を目指すと共に、阪神地区においてシンポジウムを開催して、公的な議論の中で研究成果の価値を確認する。また、メンバー全員が海外調査を行うことによって、最終成果をまとめるための基本的資料を収集し、それを分析可能なデータへと加工する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者が収集したドイツ語資料の電子ファイル化と点検作業を研究補助員を雇用して行う予定であったが、高度なドイツ語能力を有する補助員を確保できなかったため、資料収集の出張に優先的に予算を振り分け、補助員による作業の一部を翌年度に行うこととしたため。 年度末に改めて外国語能力の高い研究補助員を募集した結果、大阪大学言語文化研究科博士後期課程単位取得退学の研究補助員を雇用することができた。したがって翌年度は資料の電子ファイル化、および点検作業を問題なく遂行する体制が確立した。
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Research Products
(9 results)