2014 Fiscal Year Annual Research Report
「乳房」の図像と記憶――中国・ロシア・日本の表象比較研究
Project/Area Number |
25284065
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武田 雅哉 北海道大学, 文学研究科, 教授 (40216908)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 容子 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (10434359)
加部 勇一郎 北海道大学, 文学研究科, 専門研究員 (30553044)
向後 恵里子 明星大学, 人文学部, 准教授 (80454015)
濱田 麻矢 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (90293951)
越野 剛 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 准教授 (90513242)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 中国文学 / 表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国における「乳房」の表象を、中華圏(中国大陸以外の中国語圏を含む)・ロシア・日本の各地域における表象と比較し、非西欧圏・社会主義圏における「乳房」イメージの生成、交流、変遷について明らかにするものである。分析の中心となるのは、19世紀から20世紀にかけての画報(絵入り新聞)・連環画(絵物語)・ポスターなどの図像資料、および新聞記事や文学などの文字資料である。戦争を背景とした「国民国家」形成の時代、外来の影響と自国の伝統の交錯する磁場の下で流通した「乳房」イメージを、「戦時プロパガンダ」、「女性表象」、「可視化/不可視化されるセクシュアリティ」など多様な視点から解読し、三地域間の歴史的記憶が構築されるシステムについても考察する。平成26年度は、以下の研究を行った。 ①定例研究会の開催。おのおのの研究発表および意見交換・資料閲覧のための会合を年2回(9月・2月)開催した。 ②ロシア・中国における資料調査。ロシア(ウラジオストク・ブラゴヴェシチェンスク)および中国(黒河・ハルビン)を訪問し、戦争関連史跡、身体表象に関する博物館における視察、また国内未所蔵資料の閲覧・撮影などの調査活動を行った。 ③書籍の購入。中国女性史、中国美術史に関する書籍の新規購入を行った。 ④平成25年度、26年度に収集した資料を活用し、雑誌論文などにより研究成果を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画通りに定例研究会を開催することができ、またロシア・中国における海外資料調査も実施した。購入・収集した資料を用い、研究代表者・分担者とも研究成果を発表することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究実施計画は、以下の通りである。 ①定例研究会の開催。おのおのの研究発表および資料閲覧のための会合を年2回開催する。 ②国内・海外における資料調査。日本国内および中華圏の戦争関連史跡・博物館・図書館などを訪問し、身体表象・中国美術史に関する資料の追加調査を行う。 ③平成25年度から27年度にかけて収集した資料を活用し、研究成果報告を行う。
|
Causes of Carryover |
旅費・謝金に関してはほぼ計画通りに使用した。物品費のうち、設備(図書)となる『中国近現代女性学術叢刊』は研究に資する書籍であるため購入した。研究成果を報告書として印刷するための印刷費を計上していたが、補足調査を行った上で平成27年度に出版することとした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成25年度から27年度の研究成果を報告書として印刷するための印刷費とする。
|
Research Products
(33 results)