2013 Fiscal Year Annual Research Report
ろう者コミュニティの視点による日本手話語彙体系の記録・保存・分析
Project/Area Number |
25284075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大杉 豊 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (60451704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坊農 真弓 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 助教 (50418521)
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70322112)
菊澤 律子 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (90272616)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日本手話 / コーパス / 語彙 / 方言 / 年代差 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
平成25年度は,『第1期手話コーパスプロジェクト(群馬県・奈良県)』から『第2期手話コーパスプロジェクト』への移行期間と位置づけ,第1期プロジェクトの手法と結果について,研究者コミュニティとろう者コミュニティの両方よりフィードバックを得て,第2期プロジェクトの手法をデザインする活動に注力した. 研究者コミュニティにおいては,第1期プロジェクトで得た語彙データの分析結果を一部「みんぱく手話言語学フェスタ2013」及び「日本手話学会第39回大会」で発表し,国内外の研究者よりフィードバックを得ることができた.また,語彙表出を誘出するための課題にアニメーション手法を導入することについて,手話アニメーション製作専門家と研究協議を実施し,これらの結果を踏まえて第2期プロジェクトに向けて手法の改善を進めることができた. ろう者コミュニティに関しては,第1期プロジェクトで製作後インターネット公開した「日本手話話し言葉コーパス」の語彙篇を,明治時代以降の手話単語集データベースとセットで紹介する活動を展開した.前者が共時的なデータベースであるのに対し,後者は通時的なものと言える.第2期プロジェクトの一環として,京都のろう者コミュニティが昭和34年頃に作成した手話単語集を電子化し,採録される手話単語を再現して動画としてはめ込むデータベースを製作し,インターネット公開を実現した. これらの活動を通して全国のろう者コミュニティと交流をしてきた結果,第2期プロジェクトは北陸地域及び九州地域で手話データの収集を行うことについて該当地域のろう者コミュニティの承諾を得る手続きを終えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手話データの収録を実施する地域は確定したが,現地の実施体制及び収録対象者の決定がまだである.また,研究倫理上の手続きを完了できていないことにより,若干の遅れが生じているため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は研究代表者の大杉が所属する筑波技術大学に大学院が新設されたことにより,院生らがデータ収録コーディネート及びデータ分析の補佐に入る研究実施体制が実現する.また,分担者の坊農真弓氏が所属する国立情報学研究所においてポスドク研究者らとのデータ処理を進める体制も整えられている.よって,本研究は計画に変更を加える必要は無く,現在生じている「若干の遅れ」は平成26年度中に解消する見通しである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
手話データの収録を実施する地域は確定したが,現地の実施体制及び収録対象者の決定がまだであるために,現地での事前打合せ等をまだ実施できない状況であった.そのための旅費等が次年度使用額となった. 平成26年8月までに手話データの収録を実施する地域での事前打合せ等を実施し,次年度使用額はその経費に充てる予定である.
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