2013 Fiscal Year Annual Research Report
危機言語のデータ・アーカイブ作成のための試み―韓国語済州方言を中心に
Project/Area Number |
25284078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千田 俊太郎 京都大学, 文学研究科, 准教授 (90464213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田窪 行則 京都大学, 文学研究科, 教授 (10154957)
金 善美 天理大学, 国際学部, 准教授 (20411069)
鄭 聖汝 大阪大学, 文学研究科, 講師 (60362638)
元木 環 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (80362424)
梶田 将司 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30273296)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 記述言語学 / 電子博物館 / 電子アーカイブ |
Research Abstract |
今年度はまず既存の宮古語デジタル博物館のシステムを把握し、多言語化にあたっての問題点を洗い出した。デジタル博物館のドメインとして kikigengo.jp を取り、宮古島西原地区のページの公開を始めた。デジタル博物館の公開は新聞でも報道された。既存のデジタル博物館の多言語化のための改修を行ない、言語ごとに公開と限定公開の区別を設けるなど、個別に管理できるような態勢を整えた。新たに宮古語の方言の切り分けを行い、他の琉球諸語、韓国語済州方言、パプアニューギニアのドム語の展示スペースを設置した。最後に更なる改造に備え技術検討(1. 現行システム、2. アーカイブ・システムへのアクセス制御、3.辞書データベースの利便性)を行なった。 記述班は博物館の内容となる調査と記述を始めた。宮古島のページ群は公開のための手入れを行なった。新設されたスペースについては、韓国語済州方言のページ群と、パプアニューギニアのドム語のページ群の雛形を作り、試験的な入力を始めた。 以上のようにそれぞれの言語の調査・研究の成果を直接に反映させることができる多言語デジタル博物館の準備が整った。研究成果の欄に明らかなように、記述班は済州方言の語末形式、日韓のモダリティ、シンブー諸語のトーン、琉球列島の言語と文化などに関する成果をあげ、論文、著作、口頭発表などの形で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術的には初めの計画以上に進み、多言語化、限定公開の設定、その他の技術検討ができた。記述の方は二件海外フィールドワークの延期があったが、研究に支障のある遅延ではない。全体にはおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もシステム班と記述班が緊密に連携しながら課題を遂行する。宮古以外のフィールドでは、博物館展示を目的とした資料収集が始まったばかりで展示物が少ないという課題がある。現地の話者の方々や他の研究者とも協力しながら研究を推進してゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学務の都合や職場の移動などのため、海外フィールドワークを延期せざるを得なかったものが2件あり、旅費と装備(録音機等)に関わる次年度使用額が生じた。 上記の海外フィールドワークの装備を整え、また旅費として使用する計画である。
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