2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25284081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小川 暁夫 関西学院大学, 文学部, 教授 (00204066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
A Rusterholz 関西学院大学, 文学部, 教授 (30411771)
田中 愼 千葉大学, 言語教育センター, 教授 (50236593)
藤縄 康弘 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 准教授 (60253291)
宮下 博幸 関西学院大学, 文学部, 教授 (20345648)
大薗 正彦 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (10294357)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 言語学 / ドイツ語学 |
Research Abstract |
平成25年度は、① 空間表現の類型について日独語比較を基軸に集中的かつ俯瞰的に探求し、② その総合的な研究成果により個別言語学,一般言語学のみならず外国語教育に対して新たな視座,展開をもたらし、③ また認知科学,文化記号論など学際領域に資する研究を推進した。中間成果の公表、関係諸氏との意見交換を日本、ドイツ、スイスにて行った。その主なものは次である。 (1)2013年度日本独文学会・春季研究発表会にてシンポジウム『ドイツ語研究に今日的自律性はあるのか-方法と方法論に関する考察』を開催(2013年5月、東京外国語大学)。なお、このシンポジウムの内容は近く『日本独文学会研究叢書』として刊行される。(2)ベルリン自由大学に出張し、空間表現の対照研究の第一人者であるマキシ・クラウゼ教授と日独語共同研究の構想を検討した(2013年8月、ベルリン)。(3)日独文化研究所にて「Esの宇宙‐言い得ないものが言葉になる時」と題して招待講演を行った。ドイツ語の指示詞esが広く空間世界を指示する有り様を哲学・心理学など学際領域も射程に入れて論じた(2013年12月、京都)。(4)再度ベルリン自由大学にてクラウゼ教授と研究内容を深めるとともに、チューリッヒ大学にてドイツ語統語論・意味論の代表的研究者であるクリスタ・デュアシャイト教授と意見交換を行った(2014年1月、ベルリン、チューリッヒ)。(5)ドイツ・フンボルト財団の支援を受け、国際集会『比べること、同じであること-人文科学の学際シンポジウム』を運営し、講演を行うとともに、日独の研究者諸氏と討論・意見交換を行った。 なお、(1)とならんで(2)、(3)、(4)、(5)での研究成果も日本、ドイツの専門出版社から刊行予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、① 空間表現の類型について日独語比較を基軸に集中的かつ俯瞰的に探求し、② その総合的な研究成果により個別言語学,一般言語学のみならず外国語教育に対して新たな視座,展開をもたらし、③ また認知科学、文化記号論など学際領域に資する研究を推進することを目標としている。 ①、②、③は相互に関連しており、すべてに通底する実証的・基礎的データの収集・分析、そしてその中間的成果ないし作業仮説の提示という点で、課題推進はおおむね順調に進展している。各研究分担者がそれぞれの専門領域を起点に「日独語の空間表現」の原理の解明に取り組み、口頭発表あるいは印刷物の形でその基礎データ、記述の方法、新たな説明の可能性を提示・提案してきた。それらは、次年度の研究の深化、発展、次々年度の研究の集約に向けての初期成果として資する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も引き続き、① 空間表現の類型について日独語比較を基軸に集中的かつ俯瞰的に探求し、② その総合的な研究成果により個別言語学,一般言語学のみならず外国語教育に対して新たな視座,展開をもたらし、③ また認知科学,文化記号論など学際領域に資する研究を推進することを目標としている。①、②、③の相互関連性を常に視野に置きながら、各研究分担者が担当分野の研究を進め、その深化、発展を目指す。国内外で学会発表、講演の場をもつと同時に、同じく国内外で刊行物による成果発表を目指す。すでに、日本独文学会などの国内での学会発表、ドイツ、オーストリア、ポーランドなどでの学会発表、招待講演が予定されており、それら口頭での発表成果はその都度、専門学術誌や論文集などしかるべき刊行物として刊行される。その際、各研究分担者の連携の強化、また専門諸氏との意見交換にも重点を置いていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
理由としては次の3点が挙げられる。 (1)海外出張の費用が予定よりも安価であった。(2)研究代表者・分担者で集まって行う予定の打ち合わせを減らすことができた。(3)購入予定であった文献・データ等を購入せずに手に入れることが可能となった。 使用計画としては次の3点が挙げられる。 (1)国内外での学会発表、シンポジウムの参加に係る費用に使用する。(2)中間成果の刊行のため、ドイツでの出版費用として使用する。(3)関連文献の購入に使用する。
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