2015 Fiscal Year Annual Research Report
英文理解の破綻と修復プロセスの検証:眼球運動測定研究に基づく読解指導への提案
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25284099
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
卯城 祐司 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60271722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 由子 東京富士大学, 経営学部, 准教授 (80548735)
清水 遥 東北福祉大学, 総合基礎教育課程, 講師 (20646905)
高木 修一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (20707773)
名畑目 真吾 共栄大学, 教育学部, 講師 (60756146)
長谷川 佑介 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (40758538)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 英語教育 / リーディング / 眼球運動測定 / 状況モデル / 読解指導 / 心的表象の更新 |
Outline of Annual Research Achievements |
本基盤研究は,英文読解における「テキスト理解の更新」に着目し,更新の困難性や学習者自らがそれを克服していくプロセスを明らかにすることを目的としている。具体的には,物語文における登場人物の情報に焦点を当て,その情報に対する学習者の注視時間や注視頻度などを眼球運動測定に基づいて計測し,統計的な分析を行うものである。本年度では,検知された英文理解の破綻に対し,「テキスト情報間の一貫性を維持する」ため,「破綻した一貫性を修復する」ことができるかどうかに関する研究を実施・発表した。 まず,一貫性の維持について,隣接したテキスト情報と離れた情報での一貫性の維持を比較する研究を発表した(Ushiro, Nahatame et al., 2016)。この研究では,一貫性の維持が必要となる情報が隣接している場合と離れている場合のテキストを用い,読解中の眼球運動測定によって注視時間などを計測した。その結果,日本人英語学習者が離れた情報の一貫性を維持しながらテキスト内容を理解することを苦手としていることが明らかになり,そのような学習者に対して文章全体の理解を促す指導の必要性と有効性が示唆された。 一方,破綻した一貫性がどのように修復されるのかを検証したところ,学習者は理解の一貫性を維持するために,登場人物の特定的な行動をより中立的な行動に記憶の中で修正して理解しようとしていたことが明らかになった(Ushiro, Mori et al., 2016)。この研究では登場人物の特徴と行動について一貫性が維持されない英文を用い,読解後の学習者の筆記再生課題の内容を検討している。 このような研究の意義として,学習者が英文理解の一貫性を維持もしくは修復するために必要な読解プロセスを具体的に示し,それに基づく読解指導を提案したことがあげられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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