2014 Fiscal Year Annual Research Report
アジア圏英語学習者発話コーパスICNALE-Sの構築及び学習者発話の固有特性解明
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25284104
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 慎一郎 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (90320994)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学習者コーパス / 発話 / 音声 / 文法 / 語彙 / 言語産出モード |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研プロジェクトの目的は,アジア圏英語学習者国際コーパスICNALE(International Corpus Network of Asian Learners of English)のSpoken Moduleを開発することである。従来の学習者コーパスは,書き言葉の収集に偏重していたが,新たに話し言葉を大規模に収集・公開することで,学習者研究・中間言語研究の新たな基盤を整備することを目指す。当該年度においては,下記の諸点について進捗を見た。 1)発話データの収集・書き起こし:中国,インドネシア他,各国においてデータ収集を行い,収集したデータの約80%について書き起こし処理を収集した。/2)データの公開:平成26年度においては,ICNALE-Spoken Baby として,Version 1.0(5月,4か国,1000発話,11万語),Version 1.2 (9月,6か国,1900発話,22万語),Version 1.3(7か国,2900発話,32万語)の公開を実現した。3)音声加工処理システムの開発:発話者の本人特定を防ぐため,任意のパラメタセットに基づき音声を変換するシステムとしてICNALE Automatic Speech Morphing System(ASMS)を開発・公開した。/4)書き言葉・話し言葉の対照研究:収集したデータを用い,学習者の書き言葉と話し言葉のmulti-modal analysisについて方法論を確立し,国内および国外(スペイン,チェコ,アラブ首長国連邦)の学会で成果の一部を発表した。/5)国際シンポの実施:平成26年5月には国際シンポジムLearner Corpus Studies in Asia and the World(LCSAW)を開催し,各国から150名を超える参加を得た。また,450ページからなる英文大会論文集を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトでは,ICNALEのデータ収集プロトコルに従い,アジア圏EFL国として日本・中国・韓国・台湾・タイ・インドネシア,ESL国としてパキスタン・シンガポール・香港の合計9か国でデータ収集を行うことを目標としている。このうち,年度末時点において,すべての国でデータ収集が着手され,うち7か国については収集したデータの公開を実現した。以上より,予定通り進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,香港・韓国・タイについて,データ収集を完了させ,書き起こしのプロセスに入る。また,関連論文の発表準備を行う。
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