2016 Fiscal Year Annual Research Report
英語教育における特別な支援の在り方ー小中高大の連携を通して
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25284105
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大谷 みどり 島根大学, 教育学部, 教授 (80533299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築道 和明 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30188510)
小川 巌 島根大学, 教育学部, 教授 (60160743)
飯島 睦美 明石工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80280436)
樋口 和彦 島根大学, 教育学部, 准教授 (80710110)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英語教育 / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,特別支援教育のコンセプトである「インクルーシブ教育」と「ユニバーサルデザイン」を核とし『英語という教科の特性を活かしながら通常学級における様々な生徒のニーズに合った支援の方法を探り、個々の能力を最大限に伸ばす英語教育の在り方』の体系化を目的としている。平成28年度は昨年度に続きLD学会において「英語のつまずきへの支援~第2言語習得理論も踏まえた取り組みを考える」と題し、本プロジェクトの研究分担者を中心とした自主シンポジウムを企画し60名の参加があった。また研究会も8月17日、1月21日の2回開催した。8月の研究会では、研究分担者である築道氏、樋口氏2名による理論的解説とともに、現場における実践例として雲南市立吉田・田井小学校、島根大学教育学部附属中学校、島根県立松江東高校から小中高各校種における意欲的な取り組みを紹介して頂いた。1月21日の研究会においては、研究分担者・飯島氏による講演、大谷による話題提供に続き、参加者による活発な意見・情報交換が行われた。両研究会とも、山陰両県から60名以上の教員の参加があった。 また、教員養成・教員研修を視野にいれ、夏の研究会で事例を発表した島根大学教育学部附属学校園の三浦教諭と協働で、教育実習を経験した学生を対象に、自分が授業を行った教案を再度、子どものつまずき・支援の視点、特にUDLの視点から見直すというプロジェクトに行っている。さらに本分野における先進国の研究・取り組みの紹介として、飯島氏を中心に”Teaching Languages to Students with Specific Learning Differences” (Kormos and Smith, 2012)の翻訳に取り組み、29年度夏の出版を予定している。また特別支援教育の視点を重視した英語教育の在り方については、複数の依頼講演、依頼執筆を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトの進捗状況については、おおむね順調に進んでいると思われる。 全体計画に沿い、一年目は、小中高教員の協力を得て「英語授業における教員から見た子どもたちのつまずき」に関するアンケート調査を実施し、結果の分析と考察を始めた。2年目は多くの学会において分析発表と、海外視察を行った。3年目は支援活動集作成に向け、メンバー自身と現場の教員の取り組みを進め、さらに取り組みの中間報告書を作成、山陰のすべての小中高等学校に配布した。昨年度4年目は、研究会を続けるとともに、活動集作成に向け、更に、文献・情報収集を進めるとともに、関連著書の翻訳プロジェクトも手がけた。 日本の教育現場において、通常学級における具体的な支援の在り方、インクルーシブ教育の推進、ユニバーサルデザインを意識した授業の在り方に関する関心が急激に高まっており、特に英語教育においては、ここ最近関心が高まっていると思われる。27年度には日本LD学会学会で、英語における支援の在り方が学会主催でシンポジウムが企画され、本プロジェクトから2名がシンポジストとして出席した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は今年度が最終年度であるため、当初の計画通り、英語授業における支援活動集の作成と、県外からの実践・研究者を招へいしての研究会開催が主となるゴールである。 活動集作成については飯島氏を中心に、第2言語習得理論と共に、特性のある子どもたちの学びについての要因等を基盤とし、本プロジェクトだけではなく先進国の取り組み等も参考にしながら進めていく予定である。 また研究会開催については12月に、本プロジェクトの海外視察でお世話になった、アメリカLD学会理事で、カリフォルニア大学サクラメント校のCho教授を招き、アメリカでの取り組みや研究についての講演を行うとともに、山陰地域の小中高における取り組みの紹介、参加者による意見・情報交換を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度は、研究開始当初の計画より、助成金を基金と合わせ、下記「使用計画」に記載する計画を立
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度の使用計画として、特に、研究集大成としての「英語授業における支援活動集」の編集・印刷・郵送費、これまで継続的に行っている日本LD学会発表への出張旅費(5名分)、県外からの研究者を招いての研究会開催等への使用を予定している。
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Research Products
(12 results)