2016 Fiscal Year Annual Research Report
Transformation of Regional Societies in the 20th Century Austria and Reorganization of National Consciousness
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25284142
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小澤 弘明 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (20211823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姉川 雄大 千葉大学, アカデミック・リンク・センター, 特任助教 (00554304)
水野 博子 明治大学, 文学部, 准教授 (20335392)
江口 布由子 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (20531619)
鈴木 珠美 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (20641236)
古川 高子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (90463926)
山崎 信一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (80376582)
藤井 欣子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (30643168)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東欧近現代史 / オーストリア / 地域史 / 社会史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画の最終年度として、研究のとりまとめを行った。そのさい、1. ウィーンを地域ととらえること、2.理論的な総括を行うこと、に留意した。 1.では、ウィーンの都市内地域を社会空間の差異から認識することで、20世紀から21世紀にかけて、外国人労働者や移民との日常的な接触・非接触の過程で、「オーストリア国民」意識がどのように変容し、それが都市政治や国政における投票行動などにどの程度反映しているのかを検証した。ハプスブルク帝国期から第一共和国期にかけてチェコ人を中心とする他者が、10区ファヴォリーテン、16区オッタクリングなど特定の空間に集住していたこと、第二共和国期になると、同じ空間にトルコや旧ユーゴスラヴィアからの外国人労働者が集住したこと、1990年代以降になると、アフリカ系住民がやはり同じ空間に集住し、「他者」が重層化して、「オーストリア国民」の定義も重層的なものにならざるをえないこと、などが明らかとなった。 2.理論的には、「国民への無関心」論を踏まえ、国民意識がそれとして展開するのではなく、社会的状況によって規定されていること、グローバリゼーションの進行によりグローバル、EUといった上位の概念によって国民概念が規定されるため、グローバルと少数者としての他者を直結させる議論が中心を占めること、等が明らかとなった。国民国家が「国民競争国家」「市場国家」等として再定義されるからこそ、「オーストリア国民」も消滅の過程にあるというよりも、むしろ繰り返し再生産されていくことが明らかとなった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)