2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25284148
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
森田 直子 立正大学, 文学部, 講師 (30452064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 徹也 横浜市立大学, その他の研究科, 准教授 (10315822)
平山 昇 九州産業大学, 商学部, 講師 (20708135)
小野寺 拓也 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (20708193)
今野 元 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (60444949)
西山 暁義 共立女子大学, 国際学部, 教授 (80348606)
辻 英史 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (80422369)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感情史 / ドイツ史 / 近現代史 / 西洋史 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度(平成27年度)は、当初の研究計画にのっとり、研究会における重点を「感情史研究」の新しい成果の摂取から、研究分担者の個人研究の報告、批判的検討へとシフトさせた。年間計4回(4月、7月、11月、3月)の研究会を行い、全8人の研究分担者および研究分担者が2人ずつ個人の研究成果報告を行った。 8人中7人はそれぞれ以下のようなタイトルで報告し、ドイツ近現代史に関するテーマを「感情史」というパースペクティヴで切り取る試みを行っていることを示した。 「世紀転換期のドイツにおける学校教育と体罰」、「炭鉱労働者の感情の共同体」、「神聖ローマ帝国とフランス革命─帝国大宰相ダールベルクの帝国愛国主義について─」、「19世紀ドイツ市民社会における市民参加と感情の役割」、「祭の近代─18世紀末・19世紀前半のプロイセンにおける民衆祭をめぐる政治─」、「身体と感情の市民的自己抑制?─19世紀ドイツの「決闘試合」─」、「「Gemuetlichkeit」と感情の政治─ナチ体制におけるクリスマス─」 さらに、ドイツ近現代史を相対化するためにメンバーとなって頂いた日本近現代史の研究分担者は、次のようなタイトルの報告を行った。「「体験」と「気分」の共同体?─戦間期の「聖地」ツーリズム─」 以上の8つの報告に関して、昨年度は個々の報告の批判的検討に終始した感が強かったことは否めないが、それは、以上の研究成果がいかなる点においてどのように係わり合うのかについての相互検討に重点を置く本年度の課題の不可欠な基礎を成すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度(平成27年度)は、平成25年度・同26年度とは異なり、海外から研究協力者を招聘してワークショップを行う機会を設けなかったため、研究会の回数自体はそれ以前より1回少なかった。しかし、これは昨年度当初の計画通りであること、また、全員が別々の研究機関に所属し(うち、2人は首都圏外の大学に勤務)、皆のスケジュールを調整して研究会の日時を設定することが極めて困難ななか、当初の計画通りおおよそ3ヶ月に1回研究会を開くことができ、全8人の研究分担者および研究分担者の研究成果報告が予定通り行えたことは、本研究課題がおおむね順調に進展している証左とみなし得よう。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、本研究課題の最終年度である。したがって、研究成果の公表に向けた準備と公表に重点が置かれる。成果の公表ということで計画されているのは以下の2点である。 1)海外からゲスト・スピーカーを招聘しての講演会ならびに小シンポジウム開催 2)「感情史」研究の基礎となる欧語研究書の日本語への翻訳
1)については、招聘予定で話しを進めている海外の研究協力者の都合により、年度内の開催が困難となったが、来年9月の開催に向けて日程確保、内容企画などの準備が進みつつある。 2)2012年にドイツ語で書かれ、2015年には英訳も出された「感情史」の基本とみなしうる大著(Jan Plamper, Geschichte und Gefuehl. Grundlagen der Emotionsgeschichte)を翻訳する計画である。すでに出版社との話合いも開始している。
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Causes of Carryover |
一昨年度から昨年度への繰越があったことに加え、研究会運営上、人件費(講師予算)として計上していた額を使用せずにすんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究課題の成果公表の一つとして計画しているシンポジウム開催(海外からの研究協力者の招聘)のための費用として私用する計画である。
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Research Products
(14 results)