2015 Fiscal Year Annual Research Report
労働の場(site)を淵源とする権利義務の創出-契約外労働関係とその理論基盤
Project/Area Number |
25285018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野田 進 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90144419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中窪 裕也 一橋大学, その他の研究科, 教授 (90134436)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 労働契約 / 契約外規範 / 規制緩和 / 企業 / 比較法 / 合意の原則 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、日本では、労働法(特に雇用立法)の領域で、急速な規制緩和施策を推進している。それは、アベノミクスに基づく経済の成長戦略の一環としてなされるものである。注目されるのは、そうした政策が、経済成長を優先させる一方で、労働契約に基づく規制(=保護的側面と合意原則との緊張関係の中での規制)を後退させる方向を導いている点である。 それは例えば、(a)限定(ジョブ型)正社員構想、(b)「雇用特区」構想、(c)研究職、その他一定の労働者の有期労働契約のいわゆる「無期転換」年数を、5年から10年にまで延長しようとする。(d)労働者派遣について、派遣契約の期間制限(1年または3年)を廃止し、派遣元で常用雇用の派遣労働者については派遣労働契約の期間を無制限とする等である。これらの「成長戦略」に基づく規制緩和政策は、「合意の原則」や保護理念に基礎をおく労働契約の実質的な規制力を弱め、あるいは劣化させるものと考えられる。 しかし、こうした問題は、日本における労働契約法の理論的な弱点によるところも大きい。第1に、労働契約に関する日本の立法および法理論は、実定法のレベルで弱点がある。第2に、日本の労働契約は確固たる理論的基礎が貧弱である。労働契約の諸原則および規範は、最高裁の判決に基づくものであり、労働契約に特有の基本原則や理念を提供していない。そうした状況の下で、労働契約法は現代の雇用社会に即応した規範を提示することができず、新しい雇用政策に対する対抗力を生み出し得なくなっているのである。 本研究では、こうした状況を打破するための新しい理論枠組みが求められているとの認識のもと、諸外国(特にイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、米国)の労働契約法の中で、日本の労働契約法をエンパワーするための情報を得て、これを再構成した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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