2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25285026
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
弥永 真生 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (60191144)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中小企業 / 監査基準 / コンピレーション / 継続企業の前提 |
Outline of Annual Research Achievements |
(a)中小企業における会計、(b)商法または会社法の下で中小企業に求められる開示、及び、(c)中小企業の計算書類の信頼性の向上のための社会的仕組みという、3つの重要な個別的問題について、研究を行っている。 本年度は、第1に、ドイツにおける任意監査およびべシャイニグングの制度について調査及び分析を行った。ドイツにおいては、経済監査士のみならず、税理士も任意監査及びべシャイニグングを伴う計算書類の調製を広く提供している。そして、とりわけ、継続企業の前提との関係での損害賠償責任を負うかどうかについての議論が盛んである。 第2に、イギリス及びカナダにおける中小企業向け監査の議論に関する資料を収集し、いずれの国においても、監査は監査であるという命題を前提としつつ、監査手続きをどのように効率的なものとするかが議論されていることが判明した。 第3に、アメリカにおける財務諸表の調製(コンピレーション)をめぐる会計士の責任についての文献を収集し、分析した。しかし、この点についての議論は、最近ではあまり活発ではなく、ほとんどの議論は10年以上前になされたものである。 以上に加えて、オーストラリアでも中小企業向け監査についての指針が公表されているが、学術的には中小企業向け監査は必ずしも十分に研究対象とはされていないようである。イタリアでは、監査役会による監査が中小企業の計算の信頼性確保の中核を成しており、外部監査人による監査との関係で、中小企業向け監査が検討されることは最近では少ないようである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の遂行過程において、イギリス及びフランスについて新たな動きまたは発見があり、それに関する 書籍・資料の追加的な入手が最終的に研究を取りまとめる上で不可欠ということになった。そのため、 平成29年度中には、必要な資料等の発注及び入手に要する支出を完了することができず、わずかながら、研究は平成30年度前半にずれこむこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度までに入手した資料及び平成30年度に入手する資料の分析を進め、論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遂行過程において、イギリス及びフランスについて新たな動きまたは発見があり、それに関する 書籍・資料の追加的な入手が最終的に研究を取りまとめる上で不可欠ということになった。そのため、 平成29年度中には、必要な資料等の発注及び入手に要する支出を完了することができなかったが、平成30年度早々に発注する予定である。
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