2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマー「開国」と民主化への障害要因に関する総合的研究
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25285041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
C Pavin 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (40646098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三重野 文晴 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (40272786)
速水 洋子 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60283660)
藤田 幸一 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80272441)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (80452366)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミャンマー / ビルマ / 民主化 / 外交 / 農村経済 / マクロ経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は世界が注視する2010 年11 月総選挙と2011 年3 月の「文民」政権誕生以来のミャンマーの民主化に向けた一連の動きや改革について、一般に流布している根拠の乏しい楽観論を排し、政治学、経済学、文化人類学を含む学際的研究組織の構築を通じて、冷静で客観的かつ総合的な分析を行い、今後ミャンマーが民主化や改革をさらに進めるに当たって障害となり得る、内的な諸要因を明らかにするのが目的である。またミャンマーの民主化・改革をASEAN やその他世界の情勢・動向との相互関係のなかで分析し、ミャンマーの動きが広域の地域経済圏などに与える影響と意義についても分析するものである。 2015度も昨年度同様,代表者,分担者がそれぞれ各分野の最新の研究状況についてフォローするとともに,ミャンマーを中心に現地調査を行った。代表者であるPavinは日本とヨーロッパ諸国の対ミャンマー政策について,現地研究者と意見交換を行い,同国の国際環境について考察を深めた。その成果の一部をDiscussion Paperとして発表した。分担者である中西は昨年度に引き続き,ミャンマーの主にヤンゴンで政治政党や社会運動関係者にインタビューし,政治的自由化で社会運動,政治運動にどういった変化が起きているのか考察した。その成果の一部をウェブジャーナルで発表した。同じく分担者である藤田,速水はモン州のムドン=タンビューザヤー付近のゴム栽培地域の2ヵ村で、合計115 世帯の調査を実施した。研究会でその成果の一部を発表した。三重野は大統領顧問のエコノミストにインタビューをするなど,同国経済のマクロ状況の把握につとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者と分担者が同じ研究機関に所属しているため,コミュニケーションを頻繁にとることができ,それぞれの視点から現在のミャンマーの状況,および研究状況について情報交換を行うことができた。特に代表者による欧米の研究情報は日本にいるだけではわからない視点をもたらしている。2年度目から一部の成果を外部の研究会やディスカッション・ペーパー,ウェブジャーナルなど,聞き手,読者の反応の早い媒体をつかって発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は前年度からの研究を継続するとともに,夏期の集中的な調査研究をはじめとして,一定の成果が出た段階で,年末から年度末にかけて京都大学でワークショップを開催する予定である。内外から数名の専門家を招聘し,研究成果を共有するとともに,平成29年度以降の研究成果のとりまとめに結果を反映させる予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者であるPavinについて,出身国であるタイでのクーデター(2014年5月発生)後の政治状況により,政権の判断でパスポートが使用できなくなった。そのため予定していた海外出張を行えず,計上していた624,380円を次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
代表者のパスポートは依然無効となっており,現在,代表者は日本政府に難民申請をしているところである。まだ難民認定はなされていないものの,日本政府の判断で2014年度末に海外渡航が可能になったため,前年度未使用額は2015年度の代表者の海外出張(イギリス,ロシア,モンゴル等での調査及び成果発表)に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)