2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマー「開国」と民主化への障害要因に関する総合的研究
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25285041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
C Pavin 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (40646098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三重野 文晴 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (40272786)
速水 洋子 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60283660)
藤田 幸一 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80272441)
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (80452366)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミャンマー / ビルマ / 民主化 / 外交 / 農村経済 / マクロ経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は世界が注目するミャンマーの自由化と民主化の動向について、一般に流布している根拠の乏しい楽観論を排し、政治学、経済学、文化人類学、国際関係論を含む学際的研究組織の構築を通じて、冷静で客観的かつ総合的な分析を行い、今後ミャンマーが民主化や改革をさらに進めるにあたって障害となり得る、内的な諸要因を明らかにするのが目的である。またミャンマーの民主化・改革をASEANやその他世界の情勢・動向との相互関係のなかで分析し、ミャンマーの動きが広域の地域経済圏などに与える影響と意義についても分析するものである。 平成27年度は年度前半に各メンバーがミャンマーやタイ、欧米で調査を実施した。その後、これまでの成果を2016年2月に開催した国際ワークショップで発表やペーパーの提出というかたちで行った。代表者であるPavinは日本とヨーロッパ諸国で調査を実施し、ミャンマーの自由化・民主化におよぼしたASEANの建設的関与と欧米の制裁の影響を検討した。中西はミャンマーや地方で主に平成27年11月総選挙のキャンペーンやその後の国軍と新政権との関係について調査した。藤田と速水は日本での先行研究調査に加えて、チン州のミッチーナ近郊のゴム農園とその周辺の農村で聞き取り調査を実施した。三重野は同国の新政権を主導する国民民主連盟(NLD)の経済委員会委員たちと意見交換を行い、ミャンマーの金融財政面での必要な改革について検討した。年度末の平成28年2月には他の研究プロジェクトと合同で国際ワークショップ”Critical Hurdles to Myanmar’s Opening Up Process”を京都大学東南アジアで開催し、成果を報告するとともに、参加者と議論をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者と分担者が同じ研究機関に所属しているため、コミュケーションを頻繁にとることができ、それぞれの視点から現在のミャンマーの状況、および研究状況について情報交換を行うことができた。さらに、今年度は国際ワークショップを行ったために、研究成果に対してプロジェクトのメンバーではない研究者の意見を聞くこともできた。最終報告のとりまとめにむけて概ね順調にプロジェクトは進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は最終年度になるため、最終報告書のとりまとめを目指す。具体的には、昨年度の2月に行ったワークショップの報告とその後の討論をもとに、各メンバーがそれぞれ追加の調査を行って論文を執筆する。当該ワークショップの他の参加者からも提出される論文と合わせて、年度末には現代のミャンマーについて包括的に論じる学術書あるいは雑誌の特集号、ウェブジャーナルでの公表等の出版を前提にした報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
研究代表者であるPavinについて、出身国であるタイでのクーデター(2014年5月発生)後の政治状況により、政権の判断でパスポートが使用できなくなった。現在、日本政府への難民申請中である。ただし、海外渡航用の許可証が取得できたため、欧米への出張は可能である。平成27年度はそれに加えてミャンマーへの出張を計画していたが、タイの軍政とのミャンマー政府との関係上、現地での拘束およびタイへの送還のおそれが出てきたため、出張を中止した結果、一部の出張費を次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度には研究代表者が主に米国のカリフォルニア大学バークレー校で本プロジェクトの最終成果報告書を報告するとともに、当該大学の研究者とともに編集作業を進めるための滞在費に使用される。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] Economic Reforms in Myanmar2015
Author(s)
Fumiharu Mieno
Organizer
Conference, Myanmar’s ‘Borderlands’: Reforms, Conflict, Geopolitics
Place of Presentation
London School of Economics and Political Science (LSE)
Year and Date
2015-04-22
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