2014 Fiscal Year Annual Research Report
労働移動と技能の空間分布を考慮した政策評価手法の開発
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25285084
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
村上 直樹 日本大学, 総合科学研究科, 教授 (80174275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 二朗 日本大学, 総合科学研究科, 教授 (30127112)
村田 安寧 日本大学, 総合科学研究科, 教授 (40336508)
丸田 利昌 日本大学, 総合科学研究科, 教授 (60295730)
安藤 至大 日本大学, 総合科学研究科, 准教授 (80377126)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 労働移動 / 技能の空間分布 / 政策評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 労働移動と技能の空間分布を考える上で注目すべきは、他の地域から移動してきた労働者が移動先の地で技能等その人的資本を有効に発揮できるかという点である。本研究ではそうした観点から中国における「同郷組織」を分析対象としてとりあげ、すでに昨年度(2013年度)において中国河南省から他地域に移動し移動先で創業した経営者(「豫商」と呼ばれる)が設立した組織(たとえば「北京河南商会」等)をサンプルとしたアンケート調査を実施した(サンプル数は最大76)。本年度はそうした地縁性商会(あるいは異地商会)の分析成果の一部として共編著『商会治理与発展 国際比較研究』(河南人民出版社)を出版した。 2 労働移動と技能の空間分布は、当然のことながら都市の形成と密接に結びついている。そこで、本年度は本研究課題の成果の一部として、4月に中国上海の復旦大学中国経済研究中心(センター)で開催されたワークショップ「経済発展与産業昇級:東亜与中国」において「城市化与産業昇級:日本東京郊外的発展経験」と題する研究報告を行い、引き続いて同名の論文を作成して学術雑誌に投稿した。 3 上記2と同様に趣旨により、日本の都道府県データを用いた実証分析を行い、“Changes in Japanese Industrial Structure and Urbanization: Evidence from Prefectural Data”と題する論文を作成して学術雑誌へ投稿した。 4 昨年度(2013年度)中に初稿を書き上げた日本の都市化に関する3編の論文「日本都市化進程中的相関問題」、「日本東京首都圏的現状与演変」、「事例研究:東京多摩地域的城市化的進程」への加筆修正を行い、この論文を元に他の研究者と議論する中で、本研究課題である労働移動と技能の空間分布に関する理論的、政策的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
とくに、日本ならびに中国に関する実証分析については先行して成果が生まれつつある。他の個別目的の進捗状況と併せて「おおむね順調」と評価できるであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(2015年度)は本研究課題の最終年度であり、基本的に当初計画どおり研究を進めつつも具体的な成果の発表ができるよう努力する。とくに、理論分析については2014年以降発表された他の研究者による関連した最新成果も取り入れて本研究を進める所存である。
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Causes of Carryover |
各個別目的、各研究者の間で研究の進捗状況にやや違いがあったこと、現有設備の利用、旅費の効率的使用等に努めたことにより、結果として当初の経費見積もりと比較して使用額が少なくて済み、次年度(2015年度)に一定金額を繰り越すことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は最終年度であり、研究課題を完成させる中で繰越額を含む全経費を使用する計画である。なお、経費の効率的使用により当初見積もり額に比べた節約分が見込まれる場合には、他の研究者との関連学術交流の深化に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)