2014 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル金融危機後の新しい金利・為替評価手法の構築
Project/Area Number |
25285098
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小川 英治 一橋大学, 商学研究科, 教授 (80185503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 浩一郎 一橋大学, 商学研究科, 教授 (50272662)
中村 恒 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (80418649)
高見澤 秀幸 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (60361854)
小林 健太 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (60432902)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金利 / 通貨価値 / 株式市場 / 量的緩和 / 無裁定条件 / モラルハザード |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究は平成25年度と同体制のもとで実施された。小川は、量的金融緩和政策の国際通貨体制への影響に関して研究論文を2本発刊し、また、グローバル金融・財政危機後の国際金融問題について書籍を3本出版した。また、ワーキングペーパーEffects of a Quantitative Easing Monetary Policy Exit Strategy on East Asian CurrenciesをRIETI Discussion Paper Seriesに公表し、経済産業省との交流のもとで経済政策運営に直接的に貢献した。高岡は、論文A note on the condition of no unbounded profit with bounded riskを数理ファイナンスの国際的査読ジャーナルFinance and Stochasticsに発刊し、金融危機後の金融工学分析の発展を促進した。中村はワーキングペーパーMoral Hazard Premium: Valuation of Moral Hazard under Diffusive and Jump Risksを社会科学の電子研究ネットワークSSRNに公表し、モラルハザードが如何に均衡金利を歪めるのかを明らかにし、金融危機前後における金利の歪みを数理的に分析する一つの手法を提示した。この研究は国内外の国際コンファレンスに投稿・採択され世界に発信された。高見澤は、ワーキングペーパーImpact of No-arbitrage on Interest Rate Dynamicsを世界有数の米国ノースウェスタン大学のセミナーで発表し米国研究者に発信した。小林はA mathematical model of price fluctuations in the financial marketを執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、当初予定通り、平成25年度に構築した理論モデルを改善すると同時に、実証分析や数値解析を本格化させた。また、研究成果を国内外の国際学会で発表し、研究討論を通じて論文を改善し続けることにも成功した。論文を国際的な研究ジャーナル・書籍に投稿・発刊し研究成果を社会に広く発信した。 具体的にプロジェクト別に眺めると、取引費用プロジェクトでは、中村が情報コスト、とくにモラルハザード、が均衡金利に与える影響を定式化し、論文を国内外の研究集会に投稿・発表し国際的に成果を広めるとともに、多くの有益なディスカッションやコメントを得て論文を一層改善することに成功した。また、同プロジェクトを進める上での基礎研究として、高岡の論文A note on the condition of no unbounded profit with bounded riskの成果が位置づけられ、また、高見澤のワーキングペーパーImpact of No-arbitrage on Interest Rate Dynamicsが執筆された。行動ファイナンスプロジェクトでは、小林がA mathematical model of price fluctuations in the financial marketを執筆し、株式市場における投資家の投資戦略について、行動ファイナンス要因を明示的にモデルに導入して、数学的に精緻に実験市場モデルを構築し数値解析することにより、金融市場の価格変動を現実的にシミュレーションすることに成功した。また、国際金融プロジェクトでは、小川を中心として政策プロジェクトと合同で研究を行い、量的緩和政策が通貨市場に与える影響に関して論文が多数執筆され、研究ジャーナルや書籍に発刊された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間で4つのプロジェクトが互いに交流しながら、論文やワーキングペーパーを、当初の研究計画通りに、着実に完成させてきた。この着実な成果を受けて、平成27年度は本研究プロジェクトの最終年度として研究成果を完結させ、この成果を社会に発信する予定である。 とくに、平成27年度6月には、この科研費プロジェクトのコンファレンスを開催する予定である。これによって、一橋大学内外から討論者を招聘しながら、本プロジェクトの成果を学会や実務家、役人等に向けて幅広く公開する予定である。この結果、当初計画を越えて社会一般に発信する計画である。 さらに、引き続き国際コンファレンスに参加・発表して広く社会一般に研究成果を発信し、最終的には研究論文を国際的なジャーナルや書籍に発刊させ、金融危機後の新しい金融市場の在り方に対して政策的な含意を導き、社会のグローバル金融経済の安定に寄与していく。
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Causes of Carryover |
平成26年度は当初、コンピュータ購入と研究補助員雇用およびこの関連事務のために物品費・人件費、その他費用を計上していた。もちろんこれらの用途は本来我々の研究には極めて重要で是非とも支出し研究に役立てる予定であった。一方で、平成26年度は本研究プロジェクトが2年目を迎え多くの良い研究成果が生産された結果、是非ともこれら一連の成果をコンファレンスの形で、学会のみならず実務家、役人等を含めて幅広く発信し、社会に明確な形で還元する必要性を感じるようになった。しかし、残念ながら資金制約があるため、コンピュータ支出・研究補助員雇用とコンファレンス開催の両立は困難であることが判明した。そこで苦渋の決断としてコンピュータ・研究補助員雇用支出を断念し、代わりに平成27年度のコンファレンス開催を目的に研究費を繰り延べる決断をした。さらに平成27年度にはコンファレンスの成果を出版するために、その他の経費も繰り延べた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、平成26年度から繰り延べた資金を使って、6月に本科研費研究の成果を社会一般に還元するためにコンファレンスを開催する。さらに、この科研コンファレンスの成果を書籍として発刊する計画である。このほか、国際的に本研究の成果を発信する目的で、引き続き国際コンファレンスへの出張・発表・研究討論を積極的に実行する。
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Research Products
(15 results)