2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25285107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
若林 幸男 明治大学, 商学部, 教授 (60328961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木山 実 関西学院大学, 商学部, 教授 (30340897)
秋谷 紀男 明治大学, 政治経済学部, 教授 (00202549)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 三井物産 / 総合商社 / 職員層 / 歴史分析 / 給与ボーナス / キャリアパス / 学歴身分 / 昇進選抜システム |
Research Abstract |
平成25年度における本研究会の実績は研究会打ち合わせ4回、外国公文書館等への資料調査2回を実施した。 研究会は6/30、7/28、12/26、3/10に明治大学グローバルフロント409Gの本科研費プロジェクトの専用研究室などで行い、のべ6人の研究報告会を行った。また調査は8/19ー24にオーストラリア国立公文書館(NAA)、シドニー分館で高島屋飯田及び三井物産の接収文書を閲覧、撮影し、さらに3/11に箕輪文書を沼津明治史料館において閲覧、撮影した。 いずれの研究会、調査でも一定の前進をみたものの、その中で最も大きな研究計画の前進となったのは、8月のNAA調査による史料蒐集の成果である。分類番号MBK1101内の複数のボックスから当時の支店長デスク周辺にあったであろう文書類が発掘されたのである。本史料は支店職員の1924年~1937年前後にかけての給与、ボーナス決定類の文書により構成されており、従来未知の領域にあった戦前総合商社の実際の定昇、ボーナス決定メカニズムが明らかにされる可能性を持つドキュメント類である。 本史料に対する分析、解析作業を12月~3月まで行い、これをまず平成26年5月の第83回社会経済史全国大会、自由論題において報告することとした。本研究の計画に対する進度はきわめて順調である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
NAAにおける新たな史料の発掘、発見によるところが大きい。NAA資料館における日系企業の接収文書は未だに分類、整理されてはおらず、数千箱におよぶ本資料群から本研究に必要な史料を探し出すことは至難の技であるが、幸運なことに最初の調査により定昇・ボーナス決定の支店長の操作が反映する史料を数千点発見、利用することに成功したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度では既に5月の社会経済史全国大会において上述したNAA史料を利用した報告を予定している。夏から冬までの在外調査はNARA、NAAのそれぞれ一回を予定している。またこの間に蒐集済みの1910年、1923年、1931年、1937年、1941年職員録に対するデータ入力を終了する予定である。次年度開始早々にはこれらを合わせて第一次世界大戦~戦間期における三井物産全職員の動体分析、異動、昇進、昇給に関する分析を一旦終了し、メーカーとの比較分析、在豪日本商社の職員分析そして商業学校群と推薦入社システムの解析等へ傾注することとしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終的に3月の現地調査費用が予定予算よりも実質的には安くなったため。 次年度予算と合わせて本格的な調査・研究会の設定により使用する予定である。
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Research Products
(21 results)