2014 Fiscal Year Annual Research Report
多世代型アプローチによる認知症高齢者支援プログラムの開発
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25285170
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加瀬 裕子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30296404)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 多世代参加 / ボランティア / 地域ネットワーク / 小中学生教育 / プログラム開発 / 効果測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
【多世代参加型サポート活動】認知症高齢者と家族を支援するボランティア団体「ピアところ」を結成し、月1回活動報告(26年度11回)のための定例会を開催し、研究者がスーパービジョンを行った。中高年の市民が専門的学習を経て、有効な支援者となるための学習と実践のプログラムを開発した。プログラムの効果測定を行うため、参加者の認知症高齢者支援についての意識調査を行った。 【理解促進・学習活動】所沢市内の小学校で5単元からなる「認知症教育プログラム」を高齢者ボランティアの参加をもって実施し、効果評価を行った。小学生でも認知症の学習が可能であり、高齢者ボランティアが教える立場となることで、ボランティア自身の学習も促進されることを実証した。小学生の学習効果を測定するための調査を行った。 【地域医療と介護の連携】所沢市内の医療機関と定期的に会合を持ち、地域医療と介護の連携モデルを開発している。120名の参加を持って、研究公開シンポジュウムを行った。 【高齢者団地再生活動】首都圏のマンション調査を行い、高齢化や老朽化の実態および地域ネットワーク形成に対する取り組みのニーズ調査を行った。 【評価検証】ベースライン調査として、無作為抽出の質問紙調査(3142名回収)を行い、統計的分析を行った。市民の多くが健康や介護に不安をもちながらも、近くに相談できる人がいない市民が3割であり、認知症高齢者と関わりのない市民が6割であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【理解促進・学習活動】【多世代参加型サポート活動】【地域医療と介護の連携】【高齢者団地再生活動】【防災・減災ネットワーク活動】【認知症高齢者と家族のストレス削減】【評価検証】の分野でプログラム開発を行い、その効果を実証する予定であるが、【理解促進・学習活動】【多世代参加型サポート活動】【地域医療と介護の連携】【高齢者団地再生活動】では、予想以上の成果が上がっているにもかかわらず、【防災・減災ネットワーク活動】【認知症高齢者と家族のストレス削減】の分野が未だ構想の段階であり、今年度でのキャッチアップを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
【多世代参加型サポート活動研究班】は、認知症高齢者と家族を支援するボランティア団体「ピアところ」を結成し、月1回活動報告のための定例会を開催し、研究者のスーパービジョンを継続する。【理解促進・学習活動研究班】は、5単元からなる「小中学生のための認知症教育プログラム」をパッケージ化することを試みる。【地域医療と介護の連携研究班】は、所沢市内の医療機関と定期的に会合を持ち、地域医療と介護の連携モデル実証のため、調査を試みる。【高齢者団地再生活動研究班】は、高齢化や老朽化の実態および地域ネットワーク形成に対する取り組みのニーズ調査の分析を行う。 研究を遂行する上で課題となる3点については、対応策を以下のように講じる。 1【防災・減災ネットワーク活動研究班】連携研究者を増員し、大学と地域が連携した防災・減災ネットワーク開発を試みる。 2【認知症高齢者と家族のストレス削減研究班】マインドフルネスを活用した認知症高齢者と家族のストレス削減プログラム開発に着手する。 3【評価検証研究班】上記のプログラムが地域ネットワークとソーシャル・キャピタルに影響を及ぼす程度を測定する予定であるが、特定地域への介入という当初の計画とは異なり、介入が所沢全市に及んだため、評価を近隣都市との比較で行うこととする。
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Causes of Carryover |
【防災防犯・避難活動研究班】と【認知症高齢者・家族ストレス削減研究班】の介入研究が遅れたことにより、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
【防災防犯・避難活動研究班】には、連携研究者を増員して研究計画のキャッチアップを図るため人件費の増額を計画した。【認知症高齢者・家族ストレス削減研究班】には、研究支援者の配置を行い、研究計画の迅速な遂行に努める。
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Research Products
(4 results)