2013 Fiscal Year Annual Research Report
ブローカー介在型多文化家族の家庭内暴力の社会福祉学的予防システム開発に関する研究
Project/Area Number |
25285172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
尹 靖水 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20388599)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ブローカー介在型多文化家族 / 日常生活ストレス / 家庭内暴力 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 韓国 / 台湾 / 日本 |
Research Abstract |
本調査研究は、多文化家族に対する社会福祉的な介入の指針をえることをねらいに、家庭内暴力の発生メカニズムの解明を目的とし、2013年度には、韓国の調査とデータ入力、そして統計解析が行い、台湾では調査が実施された。 1.調査方法:韓国では、国際結婚の仲介業者を通して結婚した韓国人の夫と外国人妻を対象に調査を行った。調査対象は韓国人夫500名、外国人妻500名で、調査期間は2013年8月-2014年3月であった。同じく台湾では、台湾人夫400名、外国人妻400名で、調査期間は2013年11月-2014年2月まで行われた。 2.調査内容:1)外国人妻の属性、Husband Abuseの頻度、日常生活ストレス、攻撃性、社会的スキルで構成した。Husband Abuseは、聞き取り調査を基礎に7領域でそれぞれ3項目ずつ計21項目で配置した。2)夫の属性、Wife Abuseの頻度、妻に対する否定的な感情、攻撃性、社会的スキル、コミュニケーションスキルで構成した。Wife Abuseは、聞き取り調査を基礎に7領域でそれぞれ3項目ずつ計21項目で配置した。 3.解析結果:本調査報告においては、韓国人夫と外国人妻の日常生活ストレスが配偶者虐待に影響するといった因果関係モデルを仮定し、そのデータへの適合性の検討結果を整理した。 一つ、外国人妻の日常生活ストレスは夫に対する心理的虐待、言語暴力、ネグレクト、社会的虐待に関係していることが示された。二つ、夫の日常生活ストレスは心理的虐待、言語暴力、ネグレクト、社会的虐待、経済的虐待のすべての因子と関係していることが示された。従って、多文化家族のDVを予防するには、日常生活ストレスを無視できないこと、彼らの心理的特性、すなわち社会的スキルと攻撃性の特性をより客観的に把握し、ストレスを緩和のための方策が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度には、個人情報の取扱の社会的意識が広がる中、韓国では現場と緊密な関係を保つ研究協力者とともに全国に設置されている「多文化家族支援センター」の協力の下、調査とデータ入力、そして統計解析が行うことが出来た。台湾でも現地の専門家の協力の下で調査が実施されデータ入力作業が行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度には、台湾のデータ入力と統計解析を行う。そして日本の調査が予定されている。特に個人情報の意識が高い日本での調査は難航が予想されるが、福祉現場のネットワークの協力を十分に活用しながら各々300ケース以上の回収を目指す。
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