2014 Fiscal Year Annual Research Report
離島におけるアロマザリングの総合的研究:守姉の風習を中心に
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25285186
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
根ケ山 光一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00112003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 紀子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80328038)
宮内 洋 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (30337084)
小島 康生 中京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40322169)
池邨 清美(近藤清美) 東京福祉大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80201911)
川田 学 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80403765)
山口 創 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20288054)
石島 このみ 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (70735117)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 守姉 / 多良間島 / アロマザリング / 保育所 / 小中学校 / アタッチメント / 子育て |
Outline of Annual Research Achievements |
面接:守姉経験を尋ねる聞き取り調査を20~30歳台に行うとともに,高齢者本人及びそのきょうだい・お子様の守姉・被守姉体験の有無と、その血縁関係を面接により聴取した。また幼稚園児と小学生(1,2年生)について,ソーシャルネットワークと役割取得能力に関する面接調査を行った。さらに村立保育所設立の経緯を聞き取り調査した。 観察:現在守姉を行っている事例について,守姉場面と非守姉場面のビデオによる追跡行動観察を行い、その発達的変化を調べるとともに,保育所の玄関先での登園時および降園時の保育者・保護者・子ども間のコミュニケーション観察と4歳児の追跡観察を行った。また多良間保育所の食事場面観察を1歳児クラスと3歳児クラス,都内保育所の1歳児クラスについて観察を行った。さらにアロケアとしての人形劇活動に参加する子どもたちと家族を観察した。 質問紙:保育士と園に在籍する子どもおよびその家族との関係をさぐるための質問紙調査(保育士対象)を実施した。また小学生(3年生以上)と中学生において,生徒を対象に,アタッチメント・ソーシャルネットワークや対人関係,社会性,自己効力感,道徳性、身体接触、対人距離に関する質問紙調査を行った。また,生徒の保護者に対して,問題行動について質問紙調査を行った。幼少の保護者については問題行動と社会性に関する質問紙調査を行った。さらに,多良間島の保育所,幼稚園,小学校,中学校と東京の小学校の保護者を対象として,「守姉」平均開始年齢である,「10歳の女の子というもの」のイメージに関する調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動観察,聞き取り調査,質問紙調査のいずれについても,代表者が持つこれまでのネットワークをフルに活用し,また代表者・分担者の周到な打ち合わせと,現地との十分な相談をふまえ,各研究者がそれぞれの研究特性を発揮して,貴重な資料が得られつつある。またこの8月には教育心理学会において多良間島の守姉をテーマにした基調講演とシンポジウムが開催される予定となっており,社会的な関心も高い。これらのことから、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には,これまでの研究の継続と最後の総括的シンポジウムが予定されている。個別には以下の通りである。 面接:母親・高齢男女・元保育士・元役場職員・島外者へのインタビューを実施し、島の保育や守姉の変遷と現状を調べるとともに,沖縄本島および宮古島での資料・史料探索を行い,あわせて本土復帰後の沖縄県下での保育所設立運動に詳しい専門家への聞き取り調査も行う予定である。 観察:守姉行動や幼児の追跡観察を継続して行うともに,都内保育所での観察を補足的に実施しながら,保育所の送迎場面の分析を実施する予定である。 質問紙:初年度から継続して調査に協力していただいている方々に対し、今年度も引き続き日誌調査への協力を依頼する。また首都圏における幼稚園,小学校,中学校での面接調査と質問紙調査を進める。さらに,生徒の保護者に対して,子ども観や育児観についての質問紙調査を行う。さらに10歳未満の子どもの保護者・10歳以上の子どもの保護者の間の回答の比較などもしていきたい。 総括:最終年度は、共同でデータを共有・分析し、守姉やアタッチメントの特徴を多面的に分析する可能性を探る。8月には教育心理学会で守姉調査の講演・シンポジウムを、さらに年度末には多良間島で原則全員による報告会を行う。
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Causes of Carryover |
大学院人間科学研究科 研究・論文作成指導教員報告書の使用が中心となる研究であるが,現地の状況次第でその使用の予定が変更となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度,全体の成果検討会と現地報告会の旅費と分析用の謝金,および現地謝礼として使用したい。
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Research Products
(37 results)