2013 Fiscal Year Annual Research Report
学級規模と指導・評価方法等が児童生徒の学力の経年変化に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
25285189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
山森 光陽 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (60370079)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学級規模 / 学習指導 / 学習評価 / パネル調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は,学級規模,指導・評価方法,学級の雰囲気が児童生徒の学力の経年変化に与える影響を明らかにすることである。そのために,平成25年4月における小学校2年生から中学校1年生を対象に,それぞれ3年間にわたるパネル調査を実施している。 平成25年度においてはこの調査のうち(1)山形県のほぼ全ての小中学校の小学校第2学年~中学校第1学年の児童生徒についての標準学力検査結果を個別に取得,(2)山形県内各小中学校の学年別学級数児童数データの取得を行った。さらに,(3)調査対象児童生徒が経験した指導・評価の実施状況を把握するために形成的評価に関する先行研究のレビューを行った上で項目を設定した調査を教員を対象に実施した。これら(1)~(3)がそろったことにより,個別の児童生徒が経験した指導・評価方法と在籍した学級と学年の規模と学力偏差値が紐付きになったデータを取得することができた。 児童生徒個別の標準学力検査結果の取得方法は,調査対象校の担任教員に学校が保持する検査結果帳票の内容を個別の一覧表形式の様式に転記していただくことを計画していた。しかし,調査対象の県教育委員会との協議を行った結果,市町村教育委員会教育長の同意を得た上で,標準学力検査を実施した業者が保持するデータを直接入手することが可能となった。そのため,当初計画していた方法によるデータ取得の方法と比べて,調査対象校の教師の負担を大幅に軽減することが可能となった。 指導・評価方法に関する教師調査については,インターネットを用いた方法を採用することで,欠損をできるだけ少なくした調査が可能となった。ただし一部地域においては調査システムと校務システムとの不整合が発生したため,冊子による調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度中にパネル調査の実施体制の構築,調査項目の作成が完了し,3年間のパネル調査の1年目の教師調査の実施,標準学力検査結果の取得ができた。したがって,今年度以降も順調に調査を遂行することが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
パネル調査のうち,標準学力検査得点の取得については検査実施業者が保持するデータを直接取得できるよう関係市町村教育委員会の同意を得ているため,平成27年度まで円滑に取得できる見込みである。指導・評価方法に関する教師調査については,一部の調査対象校において回答漏れが発生し再度回答を依頼するという事例が発生したため,調査回答手引とインターネット調査システムの改善を行う。また,学級規模と指導・評価方法の関係については,平成26年度から集計,分析に着手したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査対象児童生徒の個別の学力偏差値データの取得については,当初は学校が保存している台帳から当方が用意した様式に転記していただくことを計画し,そのために様式の印刷,発送,回収,パンチングの経費の支出を計画していた。しかし,調査対象県との調整の結果,市町村教育委員会の同意を得て,学力検査を実施した業者が保存するデータを直接当方に提供いただく形式をとることとなった。この方法の変更により,当初予定していた額と比較して少ない支出で本研究で用いる中心的なデータを取得することができたため,「その他」の実支出額が計画を下回った。また,学校訪問調査については先方との調整がつかなかったため実施しなかったことと,会議回数を厳選したため,「旅費」および「人件費・謝金」の実支出額が計画を下回った。 本研究の成果については,4年計画のうちの3年目から調査対象地域に対するフィードバックや学会発表を行うことを計画しているところである。次年度使用額については,特に平成25年度において取得したデータのうち,学級規模と指導・評価方法との関連についての仮集計・分析を行い,前倒しでフィードバック等を行うこと等に使用する計画である。
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