2015 Fiscal Year Annual Research Report
中等段階の職業・専門教育と高等段階の専門教育の連携に関する国際比較研究
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25285228
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
横尾 恒隆 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (30220544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 久晴 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (20387450)
西 美江 関西女子短期大学, その他部局等, 教授 (20515895)
上里 正男 山梨大学, 総合研究部, 教授 (80193788)
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80324375)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 職業教育 / 専門教育 / 中等段階 / 高等段階 / 国際比較研究 / アメリカ / フランス / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
まず調査活動について今年度も、昨年に引き続き外国調査を行った。アメリカについては横尾恒隆が、ナシュビルで開催されたミシシッピバリ技術教育教員会議に参加し、アメリカの技術・職業教育の動向に関する情報収集と関連分野の研究者に対する聞き取り調査を行い、大学工学系学部進学準備プログラムとしての性格を持つPLTWが、広範な形で同国の技術・職業教育に影響を与えていることが明らかになった。 また西美江が、カリフォルニア州のパサデナ・シティ・カレッジ、同州ロングビーチ・コール、同州パサデナ統一学区にあるジョン・ミュール・ハイスクールにおいて調査を行い、これらの教育機関で、キャリア・パスウェイ開発や二重単位の取組など、中東段階の専門教育・職業教育と中等後・高等教育段階の接続のためのプログラムが実施されていることを明らかにした。 このほかの国については、訪問調査はできなかったものの、これまで収集した資料の分析を行った。フランスについては、上里正男が中等段階の専門教育とグランゼコールなどの高等教育機関におけるそれの接続問題とかかわって、テクノロジー教育からエンジニア教育の変遷に関する資料分析を行った。またドイツについては吉留久晴が、ドイツの中等教育及び高等教育における職業教育・訓練に関する資料分析を行った。 この結果、いくつもの研究成果を出すこともできた。横尾恒隆は、これまでの研究成果に基づき、高学歴化の下ので高校職業教育の必要性に関する論文を『技術教育研究』に発表したほか、職業教育の公共性について論じた論文を『教育学研究』に投稿し、掲載が決定した。このほか吉留久晴や西美江も、論文を発表しているほか、学会等でその成果を発表している。また上里正男も論文発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでアメリカ、ドイツにおいて学校訪問による実態調査や資料収集を行い、1)アメリカでは、中等段階の職業教育・専門教育と2年制中等後教育機関とを接続させるいプログラムのみならず、4年制大学との接続を目指したプログラムも出現していることを明らかにしてきた。またドイツについては、中等段階の職業教育・専門教育と中等後・高等段階の専門教育との接続させるプログラムは、発達していないものの、大学でのデュアル・システムの出現や様々な中等後職業教育機関の出現という形で、中等後・高等教育段階の専門教育・職業教育で注目すべき新しい動きが出ていることも明らかになっている。 またそうした成果を踏まえ、今年度は、査読つき論文を含む数本の論文を、参加者が発表することができ、また掲載予定の査読つき論文も存在している。 なお今年度フランスは、テロが起きたため、現地調査を行うことができず、すでに収集した資料をするにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きアメリカ等での調査を行う。それと同時に次年度は、最終年度ということで、これまでの研究成果をまとめ発表することに重点を置くこととする。これに関して国内の学会のみならず、海外の学会も発表を行うことを検討する。 今年度テロが起きたため現地調査ができなかったフランスの調査も行う。ただし同国の情勢が依然として不安定であれば、現地調査は行わず、これまで収集した資料の分析を行うことになる。なおその際には、フランス調査のために当てる予定であった出張旅費は、アメリカ等の現地調査や海外の学会の出張旅費に当てることとする。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、予定していたフランス調査が、テロのためできなかった。このためフランス行きの予算を執行することができなかった。また来年度アメリカ調査をさらに行うための予算も確保する必要があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、もともと予定しているアメリカ調査を行うとともに、前年度に行うことができなかったフランス調査を行う予定である。またもし依然としてフランスで危険な状況が続く場合には、その予算を他の国での調査や国際会議での発表に充当することとする。
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