2013 Fiscal Year Annual Research Report
ラジオ波照射による薬剤放出可能な磁性粒子集合化カプセルの創製
Project/Area Number |
25286001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新倉 謙一 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (40360896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 磁性粒子 / 自己集合 |
Research Abstract |
本研究は磁性粒子をフッ素化オリゴエチレングリコールでコーティングすることで数十ナノメートルの磁性粒子をカプセル状に自己集合させることである。まず、サイズ分布が狭いナノスケールの磁性粒子の合成に着手した。1つは酸化鉄の粒子で、もう1つは酸化鉄と金ナノ粒子の複合体(ハイブリッド粒子)である。どちらの粒子も既に報告されているが、それらの知見をベースに合成の最適化条件を探した。これらの多くの報告が有機溶媒中(特に高沸点溶媒)での合成であり、バイオ応用にはまず水への分散が不可欠である。そこで25年度は合成した磁性粒子への水分散性付与を中心に実験を進めた。磁性粒子の表面保護材として使われるカテコール分子に様々なオリゴエチレングリコール誘導体を連結し、磁性粒子を水に分散させるための条件をさぐり、オリゴエチレングリコール長が6以上であれば水への高い分散性が得られることが分かった。 また金ナノ粒子を使って自己集合をより効率よく引き起こすための様々なフッ素化オリゴエチレングリコールの誘導体を合成し、それらの集合化状態を電子顕微鏡で観察した。これらの表面リガンド構造と粒子集合体の状態との相関から集合体メカニズムを推察した。この知見も磁性粒子の集合化にフィードバックしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・磁性粒子の合成法を確立した。 ・磁性粒子と結合する水溶性カテコール分子の合成と、それらの被覆による磁性粒子の水分散に成功した。 ・フッ素化オリゴエチレングリコールによる粒子の自己集合には水含量が大きく影響することを見いだした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画から大きな変更はなく進めていく。具体的には以下の計画を中心に進めていく。 ・カテコール部位を有するフッ素化オリゴエチレングリコールの誘導体の合成。 ・酸化鉄と金ナノ粒子の複合体(ハイブリッド粒子)を使った自己集合。 ・磁場あるいは光によるカプセルの崩壊を実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
装置を自前で購入するのではなく、他の研究室や共用機器のものを利用することで当初の予定よりも設備費を大きく削減できた。 試薬やガラス器具の購入に使う。当初予定していた磁性粒子だけでなく金-酸化鉄のハイブリッド粒子などの合成試薬の購入に充てる。さらに連携研究者が本申請内容に関連した内容を学会発表する際の旅費として使うことを計画している。
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