2013 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学反応の高速可視化装置とリチウム電池層間反応への応用
Project/Area Number |
25286011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板谷 謹悟 東北大学, 多元物質科学研究所, 産学官連携研究員 (40125498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆 東北大学, 国際高等研究教育機構, 准教授 (40302187)
吉本 惣一郎 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (30323067)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本研究開発は、これまでのSTM、AFM、ラマン分光法等の手法の問題点を克服する新たな手法を開発し、リチウム電池の層間反応等の電極反応を原子レベルでしかもリアルタイムで可視化し、反応の動的過程を解明し、従来の性能を凌駕する高性能な蓄電デバイスへと繋げる研究開発である。本年度は研究代表者が開発に成功した原子ステップ解像力を有するレーザー共焦点微分干渉顕微鏡(LCM-DIM)は、当該研究課題に対し、層状物質におけるステップでの反応に関する重要な情報を提供すると確信するに至っている。本年度は、金単結晶電極の溶解・析出過程をレーザー共焦点微分干渉顕微鏡にて高分解能である原子層レベルでしかもリアルタイムで追跡することに成功している。これまで、原子層レベルでのリアルタイム追跡は不可能とされてきたが、レーザー共焦点微分干渉顕微鏡を用いることで初めて可能となった。本成果は、米国電気化学会誌に掲載されている。さらに本年度は、酸性溶液中における白金電極の溶解析出に関する驚くべき知見を得るに至っており、固体高分子形燃料電池の触媒微粒子劣化に関する白金の溶解・析出の研究開発に関連する重要な反応解析に一石を投じるに至っている。このレーザー共焦点微分干渉顕微鏡による白金の溶解・析出に関する研究開発は、平成27年度も研究を継続し、電極触媒としての白金の触媒能と触媒の劣化過程の解明へと繋がる学術的に重要な課題であり、燃料電池の普及に向けた固体高分子形燃料電池の長寿命化へと橋渡しをする重要なテーマであると認識している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー共焦点微分干渉顕微鏡(LCM-DIM)の機能をフルに生かした原子層レベルでしかもリアルタイムで追跡することに成功している上、平成27年度に向けた研究開発に大きな指針を与えることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザー共焦点微分干渉顕微鏡(LCM-DIM)を用いた単結晶電極反応を逐次追跡に大きな目途がついている。今後は、酸性環境下における白金の溶解・析出に関する反応機構の解明に注力し、燃料電池の普及に向けた固体高分子形燃料電池の長寿命化へと橋渡しをする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究開発課題の遂行において、現有の試薬、実験材料、実験装置等の消耗品を効率的に使用したことに伴い未使用額が発生した。 平成26年度に平成25年度に購入予定であった試薬、実験装置等の消耗品を購入する。よって平成26年度請求額と平成25年度使用額とを併せて研究遂行に使用する予定である。
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