2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ材料のハンドリング手法を拡張する多面体酸化物ナノ結晶のプログラマブル集積
Project/Area Number |
25286013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高見 誠一 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40311550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 丈靖 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70274503)
冨樫 貴成 山形大学, 理学部, 助教 (80510122)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノ結晶 / 合成機構 / 金属酸化物 |
Research Abstract |
本研究は、金属酸化物の多面体ナノ結晶を合成し、これを集積させる手法の確立を目的としている。これまでに、分子構造内にナノ結晶表面と結合しうる官能基を2つ持つ分子の存在下でナノ結晶を合成することで、ナノ結晶が集積した構造の合成に成功している。しかし、集積構造の一層の精密制御には、ナノ結晶が集積する前の個別のナノ結晶を合成する条件の探索が必須である。そこで本年度は、合成に用いる流通式反応装置における合成過程の解明と合成時間の精密制御の実現を目的として、原料水溶液と高温水との混合状態の解明を行った。具体的には、高圧ポンプを用いて純水を送液し、ヒータを用いて400℃程度まで加熱した。これと並行して別の高圧ポンプを用いて純水を送液し、高温水と室温水を外径1/8インチのT字型の混合部において混合した。系全体の圧力は25 MPaとした。この混合部に中性子線を照射し、透過した中性子線を蛍光に変えて可視化した。その結果、高温水を12 mL/min程度で横から、室温水を横方向から3 mL/min程度で上方から供給して混合する場合、高温水の一部は一度上方に流れ込んでから室温水と混ざりつつ下方向に流れていくことが明らかとなった。これに対して、高温水を上から供給する場合は、一部が横管に侵入するが、その後室温水と共に下方に流れることが明らかとなった。これより、上方より超臨界水を供給する方が短い時間で原料溶液を高温水と混合できる事、それに必要な時間のオーダーが0.1 s程度であることがわかった。研究代表者は、既に0.7 秒程度という短時間の反応時間でも多面体ナノ結晶が複合化された構造が形成されることを明らかにしている。そこで、これよりも格段に小さな反応速度ないし低い温度で合成を行うことで、複合化される前の単一のナノ粒子を得るという合成指針を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としていたナノ結晶への結合能付与および異方的集積化は実現している。ここで、その集積構造の制御ができていないという状況であったが、本年度の成果に基づき合成条件の見直しを行ったため、来年度以降の研究も順調に進行すると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ナノ結晶の合成と集積を行うと共に、その電子物性評価、基板上での集積も進めて行く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画ではナノ構造の電気特性の評価を行う予定であったが、本年度はナノ構造の制御方法に注力したため、用いる予定の使用額を来年度に行う電気特性の評価において用いる。 基板の購入および電気特性評価のためのプローブ購入に用いる。
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