2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ材料のハンドリング手法を拡張する多面体酸化物ナノ結晶のプログラマブル集積
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25286013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高見 誠一 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40311550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 丈靖 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70274503)
冨樫 貴成 山形大学, 理学部, 助教 (80510122)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノ結晶 / 有機修飾 / 規則配列 / 金属酸化物 / ナノ粒子 / 水熱合成 / 超臨界水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、多面体酸化物ナノ結晶の合成機構の解明、官能基を呈示したナノ結晶の合成法の開発、多面体ナノ結晶合成場の解析、および基板上の集積を目指した酸化物基板と有機物との親和性評価を行った。多面体ナノ結晶の合成機構の解明では酸化セリウムを対象とした。オクタン酸修飾酸化セリウムナノ粒子が生成する際に、まず160~200℃の温度領域でオクタン酸分子とセリウムイオンが錯体を形成すること、この錯体が350~400℃で分解することでオクタン酸修飾酸化セリウムナノ結晶が生成することが明らかとなった。また、官能基を呈示したナノ結晶の合成法の開発では、一端にカルボキシル基、もう一端にアミノ基を有する直鎖の有機分子の存在下で硝酸セリウム水溶液を加熱することで、カルボキシル基側が酸化セリウムナノ粒子表面に結合し、外側にアミノ基を呈示したナノ粒子を合成することに成功した。今後、本研究が目的とするナノ結晶の集積においても、この官能基を用いることで可能になると考えている。また、酸化セリウムを含む様々な金属酸化物ナノ結晶の合成に用いられる流通式超臨界水熱合成装置において、どのように原料水溶液と超臨界水が混合するかを中性子線を用いて可視化した。本研究ではさらに、以上に示した有機分子-酸化物表面の相互作用を評価して、金属酸化物表面と官能基との結合性を評価し、基板表面への官能基の付与を試みた。その結果、同じルチルの結晶系でも結晶面方位が異なると有機分子との親和性が異なることが明らかとなった。これは、様々な面方位を持つナノ結晶について、その一部に有機分子をつけることが可能であることを示唆している。今後、このような異方的な親和性を活用したナノ結晶の集積化に挑戦する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目標であるナノ結晶の集積に向け、必要な技術を着実に開発している。ナノ結晶間の相互作用を制御する有機分子修飾の実現、さらに有機分子修飾ナノ結晶の合成機構の解明を進めており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、表面に様々な官能基を呈示したナノ結晶を集積化することで、多彩な集積構造を実現する。さらに、基板への化学的修飾により、その集積構造の制御にも挑戦する。
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Causes of Carryover |
アナタース、ルチルなどの金属酸化物の単結晶基板の購入を想定していたが、基板を小さく切って使うことで節約できることが判明したため、購入量を抑制することができた。他にも、既存の装置などを利用することで、次年度利用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
流通式水熱合成を行うための高圧ポンプを購入する。
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Research Products
(4 results)