2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25286036
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北川 章夫 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (10214785)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | センサ / フリーラジカル / 電子スピン共鳴 / 常磁性共鳴 / 集積回路 / CMOS / 化学計測 / ラボオンチップ |
Outline of Annual Research Achievements |
フリーラジカルセンサの回路方式のうち、容量Cの掃引による発振周波数測定方式でフリーラジカルの電子スピン共鳴信号が得られることを数値シミュレーションにより確認した。さらに、CMOS180nmテクノロジを用いてセンサのアナログフロントエンド回路のLSIを試作し、安定なフリーラジカルであるDPPHの信号を検出した。この測定法および信号の解析方法を、パラメトリックESR法と名付け、特許を出願した(特願2015-092377)。試作したセンサLSIを用いた測定システムを組み立てた。開発した測定システムでは、従来の磁場掃引法と、本研究課題で提案するパラメータ掃引法をソフトウエアで切り替えられるようになっている。 本測定法について、JST主催金沢大学新技術説明会で紹介を行い、民間企業1社と共同研究契約を結んだ。排他的な共同研究契約ではないため、応用分野が異なる他社や他大学と共同研究を実施することが可能である。 現状では、当初目標のフリーラジカル検出感度とフリーラジカルの分子種の同定に必要なg値の測定精度が不足していることから、平成27年度中に改良版のセンサ回路と測定系の全体回路をLSI化したラボonチップを実現する予定である。 また、本研究に関連する要素回路技術や信号解析法に関する成果は、電子情報通信学会総合大会、電子情報通信学会主催LSIとシステムのワークショップ、論文誌 Sensors & Transducers で発表を行った他、金沢市主催産学連携ものづくり技術交流塾、電気学会アナログVLSIシンポジウム等で紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、平成26~27年度に、センサの試作および性能評価を実施する計画になっていた。当初計画よりも早い平成26年度に、デモの可能な測定システムを構築することに成功したが、目標性能までは達成されていないため、平成27年に、改良バージョンの再試作を実施し、当初目標性能の達成したい。また、民間企業との共同研究により応用システムの開発を開始しており、当初計画より1年程度早い進捗となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に、フリーラジカルセンサの改良バージョンを試作し、当初目標性能を達成する。当初計画では、平成28年度にDPPHの電子スピン信号検出および性能評価を行う予定であったが、可能であれば、平成27年度中に、性能評価までを完了したい。同時に、共同研究企業と、応用システムの開発を行い、提案手法の応用実績を作りたい。 平成28年度には、センサチップと測定用ソフトウエアを材料科学分野、生命科学分野の研究者に提供し、色々なフリーラジカルの検出と従来測定法による測定結果との比較を実施したい。
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Causes of Carryover |
購入物品金額の端数として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降の物品費として調整する。
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