2014 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ微細加工におけるナノ揺らぎ制御に係わるプラズマ科学の創成
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25286080
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関根 誠 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80437087)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プラズマ化学 / 凹凸 / レジスト / プラズマビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ微細加工におけるナノ揺らぎ制御に係わるプラズマ科学の創成を目指す上で、プラズマからのイオン・ラジカル・光のナノ揺らぎ発生に与える効果を解明することを目的に進めている。そのため、プラズマビーム装置をもちいて反応性プラズマ内で生じるイオン・ラジカル・光を独立に制御して、試料に照射し、試料表面で生じるイオン・ラジカル・光の個別ならびに相乗的な反応を解析した。試料表面は、表面プローブ顕微鏡による凹凸形状の変化の観察、X線光電子分光や赤外分光による化学組成・結合潘かについて解析した。 これまで、フルオロカーボンガスについての研究を進めてきたが、昨年度から新たにCl2やHBrといったガスを使用した反応性プラズマでの表面反応の解析についての取り組んでいる。プラズマから表面に照射されるイオン・ラジカル・光の照射量を定量することができるようになり、凹凸周期に関するパワースペクトル密度解析の結果、サブナノメータレベルの凹凸形成にはイオン照射が影響し、100nmレベルのラフな凹凸形成には光照射や熱に起因していることが見いだされた。Siのエッチングで使用されるHBrのプラズマ発光に着目し、真空紫外領域の紫外線の光ドーズが10の18から19乗のレベルで大きく化学構造的に変化して、凹凸形成を生じることがわかった。このように、プラズマ加工のナノスケールエンジニアリングに向けた、プラズマと表面の相互作用に係わる化学反応と材料損傷の定量解析が進められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
発展的にガスの解離過程の研究を進め、SiNエッチングで使用されるCH2F2ガスの電子衝突解離に関する素過程の考察が発展した。ArとKrと希ガス希釈したプラズマ中では、CH2F2は共鳴的なエネルギー転化、ペニングイオン化が、CH2F2の解離によって生成するCHF2やCH2F、H原子やF原子の生成比率に影響することが分かってきた。今後、選択生成したイオン・ラジカル種と表面との相互作用を明らかにできる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマで生成するイオン・ラジカル・光の照射ドーズに対する、表面変化をさらに発展させる。HBrについて調べることができたが、今後はCl2やBCl3といった他のハロゲンガスプラズマ中のデータを取得することで、イオン・ラジカル・光の相乗的な効果について解析していく。また、プラズマのパラメータを変えることで、イオン種やラジカル種の違いを制御できるようになってきたので、イオンやラジカルの種類に応じた光との相乗効果について調べて行く。
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Research Products
(6 results)