2016 Fiscal Year Annual Research Report
テスラ級超強磁場高応答キッカーシステムの開発と省電力高効率粒子線入出射法の実現
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25286089
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
中村 英滋 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究機関講師 (70311131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薮上 信 東北学院大学, 工学部, 教授 (00302232)
石 禎浩 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (00525834)
高山 正和 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (20236368)
小口 治久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (20356976)
上杉 智教 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (80392215)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 加速器要素技術開発 / パルス / 電磁石 / 高エネルギー粒子 / 高電圧・大電流 / 素粒子 / ミュオン / キッカー |
Outline of Annual Research Achievements |
前身の基盤研究(C)において、磁性体の非線形特性を利用する事で従来技法の3倍の磁場を約半分の立ち上がり時間で、且つ、寸法比 1/10 のコンパクトな電磁石で達成した。これに関する学術論文が査読者から高い評価を受け専門学術誌に掲載された。基本原理は特許 4543182 号として公開され、多くの副産的成果も挙げることができた。この技術を展開し3台バンプ軌道制御法と波形重畳法を適用する事で従来技法の 10 倍となる1テスラ級出力の可能性も拓ける。今日まで必須とされてきた大電力セプタム装置の負担軽減や粒子線入出射機器全体の省電力・省スペース化も期待できる。本研究課題ではテスラ級超強磁場高応答キッカー電磁石システムの開発を目的とし、これによる入出射効率改善及び加速器性能向上を目指す実働加速器でのビーム制御試験、また、本技術及び副産的技術による多分野への応用展開の検討を実施する。今日まで必須とされてきた大電力セプタム装置の負担軽減や粒子線入出射機器全体の省電力・省スペース化も期待できる。本研究課題では、(i) テスラ級超強磁場高応答キッカー電磁石システムの開発を目的とし、(ii) これによる入出射効率改善及び加速器性能向上を目指す実働加速器でのビーム制御試験、(iii) 入出射全体での省電力化への指針の構築、また、(iv) 本技術及び副産的技術による多分野への応用展開検討を実施する。 前年度までに、(i)、(iii)、(iv)に関して完了した。当該年度にそれらの成果をまとめ、その一部を専門学術誌の特集号に投稿し、5編全てが掲載された。なお、(ii)に関しては、予定していたビーム供給源が重故障を起こし約1年停止したため、本来本年度で研究終了となる予定であったが、科研費の研究期間延長制度を適用させて戴き、次年度に実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
下記1点を除き殆どの研究課題細目に関しては、予定通り、完了した。 ビーム実験を予定していたが、ビーム生成を予定していた粒子線加速器が長期的(1年弱)重故障を起こした。そのため、本研究課題のビーム実験も相応に遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を1年延長し、残った研究課題細目を実施する。その後、本研究課題の成果を、高エネルギー粒子科学研究及び関連研究に展開する。
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Causes of Carryover |
研究課題4細目のうちのひとつであるビーム制御試験に関して、ビーム供給源の重故障が発生し長期間供給不能となり、予定していたビーム制御試験が、本研究課題の研究期間内に実施できなくなった。ビーム供給源の故障が復旧したため、研究期間を延長する制度を適用させて戴き、次年度にビーム制御試験を実施する。ビーム制御試験に必要な経費を次年度使用として残した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ビーム制御試験実施のための経費として用いる。開発電磁石等機材運搬費用(KEKつくば<->京都大学・原子炉実験所・往復:約10万円)、国内旅費(KEKつくば<->京都大学・原子炉実験所:ビーム制御実験のため:10人・日:約20万円)、ビーム制御試験実施場所での電気工事費用(約8万円)、研究全体終了のための機器撤収費用(電気絶縁油廃油処理、廃棄・移設経費:約10万円)、合計478,613円の予定である。
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Research Products
(6 results)