2014 Fiscal Year Annual Research Report
多様体上の逆散乱理論の新局面-格子からオービフォールドまで
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25287016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
磯崎 洋 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90111913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昌宏 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (50182647)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 逆問題 / S行列 / リーマン多様体 / オービフォールド |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的な計量をもつ非コンパクトなリーマン多様体、またはオービフォールドにおいてスペクトル理論を構築し、S行列を導入した。各 end の計量は無限遠において warped product に漸近するものとし、end の volume は無限大に発散するものと0に縮小するものの双方を許す。ヘルムホルツ方程式の解の無限遠の挙動からS行列を構成する。このS行列から多様体が再構成できることを示し、逆散乱問題を解決した。オービフォールドを考えたことによって数論に現れる多様体を例として含むことができた。さらに錘状特異点を持つ多様体に結果を拡張することを目指している。六角格子、ダイヤモンド格子等の物理的に重要な格子が摂動された場合のシュレーディンガー方程式に対してスペクトル理論を研究した。レゾルベント評価、スペクトル表示、S行列の構成等の順問題を解決した。さらにポテンシャルをS行列から再構成する逆問題を解決した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非コンパクト多様体上での逆散乱問題については多様体が特異性を持たない場合とオービフォールドである場合に一つのendに対するS行列から多様体を再構成できることを示した。摂動された格子上での逆散乱問題は順問題を完成させ、さらにポテンシャルを再構成できることまでを示した。これらは予定の半分以上を完成させたことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
非コンパクト多様体上での逆散乱問題は錘状特異点を持つ多様体にまで拡張する。オービフォールドを含む形で錘状特異性を次元に関して帰納的に定義する。逆問題には境界制御法を用いるが、そのためにこの多様体上の波動方程式の解の正則性と一意接続定理を研究する。摂動された格子上での逆問題に関しては、格子欠損の再構成を目指す。resistor network の結果を用いて理論的に欠損の有無が判定できることを確かめ、欠損の位置をS行列の情報から探査するアルゴリズムを考える。マックスウエル方程式は、現在、transmission eigenvalue problem の基礎段階にあり、完成を急ぐ。
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Causes of Carryover |
当初見積もりより安く消耗品を購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究資料の購入にあてる。
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Research Products
(9 results)