2013 Fiscal Year Annual Research Report
数値解析・応用数学的アプローチによる高解像光トモグラフィ実現のための基礎研究
Project/Area Number |
25287028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯 祐介 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70203065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 雅義 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10273616)
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00362583)
大石 直也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40526878)
今井 仁司 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80203298)
東森 信就 一橋大学, 経済学研究科(研究院), その他 (10397573)
山田 幸生 電気通信大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10334583)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 応用数学 / 数理モデリング / 光トモグラフィ / DOT / 数値解析 / 数値数学 / 多倍長数値計算 |
Research Abstract |
本課題研究で中心に据えている光トモグラフィー基礎方程式は「輸送方程式」であるが、初年度はその数理モデルとしての問題設定についての考え方、および数値解析において大きな成果を得た。初年度の大きな実績は、先行研究の複数の問題点を明らかにした点である。光トモグラフィーでは目的とする断層撮影技術を輸送方程式の係数決定問題に置き換え、その逆問題解析について従来手法に沿って議論が続けられていたが、この考え方の問題点を指摘し、方程式の解の特異性の解析に焦点を宛るべきであることを明らかにした。特に、輸送方程式の光学係数の決定に関する積分球を用いた従来のアプローチの問題点を具体的な例題と数値シミュレーションを通して明らかにした。また基礎研究としての数値解析面では CIP 法の適用の正当性を数値解析学の視点から論じ、長らく未解決であった CIP 法の安定性を示した。これによって、数学的に信頼できる高精度数値解法による時間依存の輸送方程式の数値シミュレーションが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
光トモグラフィーに対応する逆問題解析に関する先行研究の誤った研究方向を初年度において明確にできたことは、当初に想定していた以上の新たな知見の獲得であり、研究の方向性が具体的に定まったことの意義は2年度以降の適切な研究推進の観点から意義は大きい。さらに、具体的成果として、時間依存輸送方程式に高精度に数値シミュレーションを行なうための CIP 法の弱安定性が証明され、信頼できる数値シミュレーションの基盤が定まったことは極めて有意義である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に明らかになった事項の深化を優先事項として平成26年度の研究を推進する。具体的には、輸送方程式に現れる光物性定数の特異性を同定する逆問題として光トモグラフィーを再定義し、数学解析と数値解析の手法により逆問題解析の研究を行なう。また、関連事項として、光物性定数の決定に関し、輸送方程式の数値シミュレーションにもとずく決定アルゴリズムの確立を図る。また派生研究として明らかになった CIP 法の安定性評価について、平成25年度の成果の高次元化を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本課題研究の推進に当っては、本科学研究費に加えて、研究環境の整備に関しては代表者の大学経費も活用しており、このために端数から生じる少額の繰越をが生じた。 繰越額は全体から見れば誤差のレベルの端数額であり、平成26年度に早々に平成26年度経費と合算して有効活用のうえ平成26年5月までに使用されるため、全体計画としては一切の問題はない。
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Research Products
(7 results)