2015 Fiscal Year Annual Research Report
低金属度ガスのダイナミクスで解明する宇宙初期天体の起源
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25287040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大向 一行 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70390622)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 宇宙初期天体 / 星形成 / 巨大ブラックホール |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)微量の重元素を含む環境における種族II星の形成に関して: これらの形成環境である低金属度の星間ガスの物理状態を解明するため、低金属度ガスを衝撃波が通過した後に熱不安定性により多相媒質が形成される様子の3次元数値シミュレーションを実行した。それにより炭素イオンが冷却剤として重要な状況(比較的金属度が高い、もしくは輻射場が強い)では熱不安定性により二相媒質となるものの、水素分子が主要な冷却剤である重元素が非常に低い状況では熱不安定性は弱くなり、ガスは一相となることが分かった。多相媒質では乱流が長時間維持されるため星形成率が低くなるものと予想される。 (2)宇宙初期における超大質量星の形成可能性について: 超大質量星の形成の条件として、星形成収縮時に水素分子が全く形成されないということが必要と考えられている。昨年度の研究計画でこれに必要な紫外線輻射場の強度を見積もったが、今回は特に水素分子イオンの非平衡準位分布を考慮して再解析した。その結果、輻射場の特徴的な温度が数千度と低い場合にはこの過程を考慮しないと正しい値は得られないものの、宇宙初期において想定される輻射場はより高温であるので、前回得られた値で問題ないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画からさほど遅れなく研究が遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
だいたい当初の計画通り研究が遂行出来ているので、計画最終年度となる平成28年度の計画を予定通り遂行して、研究を完成させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成27年度は関連学会が当初予想していたほど多くはなく、また共同研究のための訪問回数も先方の都合により予想より少なくなった。それにともなう未使用額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者および研究協力者の学会参加および研究打ち合わせ旅費として平成28年度分に合わせて使用する計画である。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Seed black hole formation via direct collapse2015
Author(s)
Kazuyuki Omukai
Organizer
Understanding the growth of the first supermassive black holes, Symposium in EWASS 2015 meeting
Place of Presentation
University of La Laguna, Tenerife, Spain
Year and Date
2015-06-22 – 2015-06-22
Int'l Joint Research / Invited
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