2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25287043
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松田 有一 国立天文台, チリ観測所, 助教 (20647268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 亨 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90271519)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、銀河形成が最も活発だった120億年前の宇宙で見つかって来た、空間的に大きくひろがったガス構造を持つ銀河専用に、すばる望遠鏡新広視野カメラ(HSC)の水素Lyα輝線フィルターを製作し、形成期の銀河周囲のガス構造を詳しく観測し、その形態を調べることにより、現在の銀河形成理論に対する観測的検証を行うことである。
平成25年度に仕様を決定し発注したフィルターNB468は、平成26年度末に納入された。平成27年度中に観測提案書を提出し、平成28年度の観測実現を目指す。本研究の準備として、原始銀河団の観測的研究を進めており、これまでにすばる望遠鏡で得た観測データに基づく研究成果について、平成25年度にはフランスで行われた国際学会において口頭発表を行い、平成26年度に学術雑誌(英国王立天文学会誌)で発表した。また、水素ガスとともに、形成期の銀河のガス構造を捉えるのに注目を集めている炭素ガスについて、アルマ望遠鏡による観測研究を行い、平成26年度にはアメリカの国際学会で口頭発表を行い、学術雑誌(英国王立天文学会誌)に論文を投稿した。
今後は、提案書作成と並行して、これまでに得られたすばる望遠鏡のデータを用いた準備研究を推進するとともに、原始銀河団領域の銀河に対する星形成活動を調べるための塵やガスの観測研究をハーシェル宇宙望遠鏡、ジェームズクラークマクスウェル望遠鏡、アルマ望遠鏡のデータを用いて行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の要となるすばる望遠鏡ハイパーシュプリームカム用NB468フィルターは、共同研究者らとの議論による仕様特性変更を経て、平成26年1月に発注を出した。NB468フィルターは平成26年7月末までに納入される予定であったが、メーカーのフィルター蒸着装置のトラブルなどが原因で納入が半年ほど遅れ、平成27年3月となった。それに伴い、平成26年秋に提出予定であった観測提案書をすばる望遠鏡に出すことができなかった。このため、平成27年秋に観測提案書を提出する予定であり、観測実行は早くても平成28年春にずれ込むことになってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年秋に予定されているすばる望遠鏡への観測提案書の提出に向けて、国内外の共同研究者らを議論を重ね、提案書を作成する。提案書作成と並行して、これまでに得られたすばる望遠鏡のデータ解析を進め、フィラメント構造の研究につながる準備研究を推進する。さらには、フィラメント構造が観測し易いと考えられている原始銀河団領域の銀河に対する多波長観測も進める。フィラメント構造は星形成に必要なガスを供給すると考えられている。本研究の観測ターゲット候補の銀河の星形成活動を予め把握しておくため、主にサブミリ波帯での深い観測をJCMTやALMAを用いて行う。
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Causes of Carryover |
平成25年度に新たな知見が得られた為、フィルター仕様を再検討し、決定までに時間がかかり、入札時期が遅れ、平成25年度内納入に間に合わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の7月にフィルターは納入予定であった。納入は年度末になったが、平成26年度に使用できた。
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Research Products
(1 results)