2013 Fiscal Year Annual Research Report
第三世代重力波望遠鏡における超長光滞在時間を持つFP共振器共振導入制御
Project/Area Number |
25287052
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三代木 伸二 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (20302680)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 正健 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80213833)
宮川 治 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (90532680)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 重力波 / Fabry-Perot共振器 / 誘電多層膜 / 高品質研磨 / 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、本研究で使用するサファイア鏡の本基材の調達に先がけて、テストピースによる基材の吸収率の事前検査を行った。結果、要求する吸収率が得られてないことが判明し、原因を究明し、H26年度中のサファイア基材の入手を目指す。コーティングに関しても、最高性能(低いロスと高強度)が得られるメーカーの選定のためのテストピースでの誘電多層膜の性能評価の準備を進めている。鏡の研磨に関しても、マイクロラフネス1オングストローム以下、形状誤差 λ/20以下の曲率150m(凹面)を達成できるメーカーの選定と交渉を続けている。 一方、本研究に向けて使用される低温レーザー干渉計CLIOの干渉計の鏡懸架装置の改造を行った。既存の性能の劣るサファイア鏡の懸架ワイヤーを冷却のためのアルミのワイヤーから金属より進展性の高いボルファーワイヤーに交換し、鏡の位置安定度を回復した。またデジタル制御システムの準備も行った。デジタル入出力のための電子機器、Anti-Imaging Filters, Anti Alias、Filters, DAC adapter、 ADC adapter、Binary output adapterなどの整備を一部先行して行った。さらに、現CLIOは片側平面、片側曲率150m のFabry-Perot共振器だが、本研究のために、一時的に基線長は100mのまま、両鏡とも曲率150mの共振器として構成するため、入射ビームのビーム径を太く修正する必要があるが、この修正を既存光学系へのレンズ光学系の追加で実現するための光学設計を行い、位置及び、レンズパラメーターを決定し、平成26年度の発注に備えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鏡基材の作成において、予想外のロスが検出され、改良が必要となっているため。H27年度予定のデジタル制御系の準備を先行して一部行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
鏡の基材の吸収の原因を考察し、改良し、目的の吸収率の低い基材を実現する。
|
Causes of Carryover |
サファイア基材に予想外の吸収が見られ、その問題を解決することを優先し、本番用サファイア鏡の作成を延期したので残額がある。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に、本年度できなかった高反射率、低ロスサファイア鏡の作成を行う。
|
Research Products
(5 results)